イーサリアムで暮らすデジタルモンスター達。しかし戦いの舞台はジリカへ。

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イーサリアムで暮らすデジタルモンスター達。しかし戦いの舞台はジリカへ。

私のたった一つの「モンスター」がレベル4に達する前に、私はイーサリアムから抜け出した。

ポケモンに刺激され、世界第2のブロックチェーン、イーサリアムで作られたイーサエモンでの私の初めての経験はこうして終わった。私は15ドル相当のイーサを費やし、最終的にはキャリという名の、炎をモチーフとしたかわいらしいクリーチャーを入手して止めることにした。

しかし私はすぐにブロックチェーンゲームの問題に気づいた。すなわち、15ドルではこのゲームのさらに面白い遊び方、つまり他のユーザーのモンスターと戦わせたり、より強いモンスターに「進化」させたり、卵を産んだり交換したりということはできなかったのだ。

モンスター(実際には交換不可能なERC-721トークンだ)を捕まえることから、他のモンスターとジムで「訓練」させること(つまり、トークンに連動したデータを書き換えること)にいたるまで、あらゆる行動に1ドルか2ドル程度のコストがかかった。

その理由は、イーサエモンのスマートコントラクトをアップデートするには、イーサリアム・ブロックチェーンを維持するためにマイナーに支払う複雑な料金体系の一部として、「ガス」代が発生するからである。さらに悪いことに、こうした取引が成立するのに数分かかることもある。

取引コストが大きすぎることと時間がかかりすぎるという問題は、ブロックチェーン業界では簡単に「スケーラビリティ」として知られている。そしてイーサリアムのような分散型プラットフォームを利用しようとしているゲームデザイナーにとっては、これが頭の痛い問題を引き起こしてきたのだ。

イーサを購入したり、ブロックチェーンに接続できるようにブラウザを拡張するといったユーザーエクスペリエンスが乏しいと、ゲームのダウンロードをためらってしまう。イーサエモンはイーサリアムベースのゲームとしては第2の人気を誇るが、これは言い過ぎではない。現執筆時点で、DappRadarによると過去24時間のユーザー数は209人とのことだった。

ある時、ガス代があまりに高騰したので、イーサエモンの開発者は抜本的な対策に乗り出さざるを得なかった。

価格が異常に高額になったので、デイリーアクティブユーザー数が激減しました。

共同設立者でビジネス開発を指揮しているNedrick Ngoがコインデスクに語った。

その結果、開発チームはユーザーが経験値や自慢できる権利を求めて他のモンスターと争う「バトル」をイーサリアムチェーンから切り離し、中央集権型のサーバーに移行した。

分散型ゲームを部分的に中央集権型に移行することは本末転倒のように思えるだろうが、イーサエモンは今月これより前に、ゲームの大部分を新設予定のブロックチェーン・プロトコル、ジリカ(ジリカとイーサエモンのチームは共にシンガポールを拠点としている)に移行する予定だと発表している。

この決定はイーサエモンのような分散型アプリケーション(dapps)の開発において、新たな流れを作るかもしれないが、デザイナーはゲーム内の資産を移動させる予定はない。

レベルや経験値、そして進化形態といったデータの塊であるトークン化された「モンスター」は、プレイヤーが処理速度の遅い、そしてコストのかかる取引を通してイーサを稼ぐことのできるデータとも言えるが、しばらくの間はイーサリアム上に残る予定だ。

言い換えると、イーサエモンは一つのゲームでありながら、二つのブロックチェーン上に存在する。上位にはユーザーが速く、そして低いコストで遊べるようなスケーラビリティ(拡張性の一種)に優れたチェーン、zippierがあり、下位にはユーザーが苦労した入手した資産を攻撃から守れるような(確実に)セキュリティの高いチェーンが存在するのだ。

Ngoはこう語る:

ジリカは私達にとってサイドチェーンとして機能するでしょう。

最初からシャーディングを備えているジリカ

イーサリアムの開発者はスケーラビリティ問題解決に向けて多くのプロジェクトに取り組んできた。しかしNgoによると、イーサエモンのチームとユーザーはそれらが実装されるまで待つことはできないという。

彼らはまずキャスパー(アルゴリズムの一種)を導入し、次にプルーフ・オブ・ステークへ移行、最後にシャーディング(取引の検証作業を並列化する技術)を完成させなければなりません。それでは時間がかかりすぎます。

ジリカは対照的に、ブロックチェーン・プロトコルの上で独自性はないとしても、数十年もの間、従来のデータベースを管理するのに利用されてきた技術のシャーディングが最初から実装されているという点では珍しいものとなっている。

ジリカの共同設立者で研究部長のアムリット・クマールは、この技術によってネットワーク上で毎秒2,488件の取引が可能だと述べている。一方、イーサリアムは今のところ、25件程度だ。

クマールはブロックチェーン・ネットワークでのシャーディングの機能について例を挙げた。

ノードと呼ばれる10,000台のコンピューターがあるとしよう。シャーディング・プロトコルがこれらを1,000台のノードを持つ10個の小さなネットワーク(シャード)に分割する。それぞれのシャードがすべての取引の一部を行なうことになる。

例えばアリスという人物が仮想通貨を送金するたびに、シャードAがその取引を執り行う。ボブが送金を行なう場合は、取引はシャードBの担当となるのだ。

この技術はブロックチェーンでは比較的新しい分野だが、ジルカチームは問題に対処するために国立大学の学術的裏付けを得ている。

ブロックチェーンのシャーディング・プロトコルを最初に記した論文の著者は二人:ジリカの科学技術チーフ・アドバイザーのプレーティーク・サクセナと、このプロジェクトのアドバイザーでもあるガイバー・ネットワークCEOのLoi Luuだ。

クマールによると、ジリカは第三四半期末までには導入される予定で、「最初から高い処理能力とスケーラビリティを備えたアプリケーション用のプラットフォーム」になることを目指しているという。

イーサリアムの行き詰まり

だがスケーラビリティと処理能力だけがイーサエモンの開発者にとっての悩みどころではない。

ユーザーはゲームの処理速度を上げたがっているが、愛情を込めて生み出して訓練し、進化したモンスターを失うリスクは抱えたくない。ユーザーにとって、モンスターは時間と費用をたっぷりとかけたものであり、それゆえに、現時点でこれらのトークンを新しいチェーンに移行させる予定はない。

その代わりに、ジリカのゲームデータは定期的にこれらのトークンと同期化されるという。

イーサリアム・ネットワーク上のゲーム内の資産は、常にセキュリティが確保されていると思っています。

なぜイーサエモンがゲーム内の資産を今の場所から移さないのかは理解していると、クマールは言った。

イーサリアムは確実に定着しているネットワークです。今なおイーサリアムを使うことのメリットがいくつかあります。

それでも彼は、ジリカがイーサリアムよりもセキュリティの点で優れた面もあるという。ジリカは非チューリング完全型の言語Scillaを採用しており、それはすなわち、2016年のハッキングでイーサリアムベースの不名誉な犠牲者となった、「Dao事件のような、おかしなコントラクトを書くことができない」ということを意味している。

クマールによれば、イーサリアム言語のSolidityほど複雑ではないため、脆弱性の確認を行ないやすいという。

一方、ネットワークでコンセンサスを得るためにジリカで採用している手法、実用的ビザンチン・フォールトトレラント性(PBFT)は、イーサリアムのプルーフ・オブ・ワークよりも、ある種の攻撃に対して潜在的な脆さを抱えている。

ノードの大半がルールに従っている限り、理論上はセキュリティが確保されるビットコインやイーサリアムと異なり、PBFTには3分の2のノードが「正直者」でなければならないという潜在的な限界がある。

言い換えると、PBFTには51%攻撃(マイニングの計算能力の過半数を特定のグループが握ってしまうこと)ではなく、34%攻撃というリスクが存在するのだ。だが、ノードの大部分をコントロールしなくても、プルーフ・オブ・ワーク型のブロックチェーンなら攻撃される可能性があるとして、状況はもっと複雑だとクマールは述べている。

イーサエモンの資産をイーサリアムに残すか、あるいはジリカに移動させるか、どちらがセキュリティ上で実際に優れているとしても、上位のレイヤーで取引を実行している間に、処理速度は遅いものの数々の試練を経てきた下位のチェーンに資産を保存しておくというこの構造が、いずれ流行するかもしれない。

ルームネットワーク社はイーサリアムベースの分散型アプリゲームに特化したサイドチェーン構築用のツールを提供しており、複数のゲームを管理できる共有型のサイドチェーンを開発している。

「イーサリアムで分散型のベースレイヤーを持つことはとても重要なことです」ルームネットワークの共同設立者ジェームズ・ダフィーは5月にコインデスクに語った。「それを最後の砦として使用できるからです」

現時点で、イーサエモンとジリカは二つのチェーンを正確にどのように組み合わせるかは明らかにしていないが、Ngoは楽観的に、これが「協力の第一段階に過ぎません」とコンデスクに言った。

These Digital Monsters Live on Ethereum, But They'll Fight on Zilliqa – CoinDesk