4つのプロジェクトがプライバシーに関するイーサリアムのパラドックスを解こうとしている

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イーサリアムは芯から透明だ。

ビットコインと同じようにイーサリアムはこの透明性をセキュリティ向上の一助とし、ユーザーが取引を誤魔化せないようにしている。しかし、この透明性とデータの露見性がビジネスに及ぼし得る問題に関連して新たな懸念が生じている。

これまでにこのようなプライバシーに関する懸念は、スケーリングのような他の差し迫った課題があるため二の次にされてきたが、今やこのテーマは開発者からかなりの注目を集めている。

実際、イーサリアムの創始者ヴィタリック・ブテリン氏は先月、このテーマに関して新たに進展した見方を述べている。

私は数年前よりもはるかにプライバシーを重視しています。

ブテリン氏はこのように書いている。

ブテリン氏だけではない。他の開発者や企業も、現在ネットワーク上で非難されている、隠しておきたいいくつかの情報を見えなくする技術を開発している。

ブロックチェーンの観点から私たちは常にプライバシーと言っていますが、むしろデータセキュリティに近いものです。

イーサリアムネットワークのプライバシーを強化する技術を開発するスタートアップ企業Enigma社の共同創設者Can Kisagun氏はこのように述べている。

実際、ヨーロッパのデータ保護法GDPRが5月から施行されたので、プライバシーはより一層喫緊の課題となっている。

イーサリアムを運用している国にGDPRがどのような影響を与えるのかまだはっきりしないが、それ以上に、すべての情報が露わになれば特定のアプリは運用できなくなる。

Kisagun氏によると、投票、位置データ、ソーシャルメディア、認証を扱うイーサリアムの数え切れないほどのプロジェクトは、ブロックチェーンの徹底的な透明性のために制限される可能性が高い。

イーサリアムのソフトウェアプロバイダーとしては第二位の規模を誇るParity Technologies社のCEO、Jutta Steiner氏はこの意見に賛意を示し、プライバシーレイヤーがなければ、イーサリアムは世界的な分散型コンピューターになるという目標を達成できないだろう、と述べている。

Steiner氏はCoinDeskに次のように述べている。

私はブロックチェーンはそれ自体で強力だと考えていますが、ブロックチェーンを暗号技術を組み合わせることで最終的には信頼できる高速な匿名コンピューター、グローバルコンピューターを作れるので、さらに興味深いものになります。

秘密の貯蔵庫

Parity社はイーサリアム向けのプライバシーを強化する技術を最前線で開発する企業の1つだ。

つい先月、Parity社は「秘密貯蔵庫」をリリースした。これは選ばれた権力者に鍵を分配する際に情報を暗号化するソフトウェアだ。このソフトウェアは許可されたクライアントがイーサリアム上で暗号化された秘密情報を生成し管理できるようにするものだ。

このソフトウェアは貯蔵庫とスマートコントラクトの実際のコードの両方を暗号化します。そのため、承認者が結託していないことを信頼するという前提の下で、契約が具体化し実施する取引にプライバシーを提供します。

Steiner氏はこのように説明する。

Steiner氏は、秘密貯蔵庫はまだ初期段階で第三者による精査が必要である一方で、このソフトウェアはすでにGlobal Farmer Networkとの提携の一部として検証中だ、と強調した。

サプライチェーン内で互いに信用できない当事者間でのデータ共有を可能にするためにこのソフトウェアが利用されています。

Steiner氏はこのように述べている。

さらにSteiner氏は、Parity社の承認を得たクライアントに対してこのソフトウェアを使うことは適している一方で、Parity社は将来的にはイーサリアムのメインネットでも同様に実行できる技術をリリースしたいと願っている、と述べている。

同氏はまた、適切にデータを保護する場合には今後リリースされる多くの革新、つまりイーサリアムの透明性により機密データがリスクにさらされることから従来は禁止されてきた分散化技術が既に存在する、と述べている。

秘密貯蔵庫などのプライバシーツールは「プライバシー上の厳しい制限によりまだ体験したことのない分野に多くの革新をもたらす可能性がある」とSteiner氏は述べている。

例えば医療データは中央管理サーバーに保管するべきではありません。誰かが責任者となりデータの取り出しを承認する権威者となる必要があるからです。

そして秘密貯蔵庫はGDPRにも関連するので、今後はさらに複雑な状況となる可能性がある。

確かにParity社では既に認証ツールの開発を中断している。これはParity社のICOパスポートサービスで、認証情報をイーサリアムのアドレスに登録し、企業が顧客確認の要件を満たすようにするものだ。これは法律で決められている。

それでもSteiner氏はいつかGDPRはParity社のプライバシービジョンと協調できる、と述べている。彼女はCoinDeskに次のように述べている。

(秘密貯蔵庫は)ツールとしてGDPRと同じような目標を実践しています。私たちの見方では同じ目標を持っていますが、基本的にブロックチェーンは加担していません。

秘密の契約

別のプライバシー強化プロジェクトであるEnigma社の「秘密契約」は、分散化アプリケーション(dapp)の開発者にデータを隠す上での自由度を与えようとしている。

秘密契約の今度のリリースでは、dapp開発者がオンチェーンに情報を流すことなくイーサリアムのスマートコントラクトを起動できる、信頼できる実行環境を提供する予定だ。この信頼できる実行環境はEnigma社がデータを保護するプライベートな保管施設となるだろう。

そのため計算を実行するノードさえもその内容は分からない。

しかし計算の検証はイーサリアムのブロックチェーンにフィードバックされるので、変更不可能で透明性のある取引記録となる。

信頼できる実行環境から始めたのは、イーサリアム上でアプリを開発する顧客により良い開発体験をもたらすからです。

Enigma社を創設したMITの卒業生の1人、Kisagun氏はこのように述べている。

将来的にEnigma社は、複雑なデータセットの安全性を確保する方法としてマルチパーティー計算を利用して、より分散化された方法を実装するつもりだ。

そして、この方法には性能上のトレードオフがある一方で、非常に機密性の高いデータに関してはより信頼性の高いものになる、とKisagun氏は述べている。

Enigma社は将来的に自社の技術を他のスマートコントラクトプラットフォームにも移植する計画がある一方で、現状開発チームはまずはイーサリアムのプライバシー問題を解決することに重点を置いている。

イーサリアムは明らかに現在もっとも活気のあるコミュニティで、利用者の好感度も高いので、この活気のある開発者経済圏を利用したいと思っているのです。

Kisagun氏はCoinDeskにこのように述べ、次のように補足している。

私は、イーサリアムのコミュニティメンバーはイーサリアム経済圏と同じくらい強いと言っていい、と密かに思っていて、そのため私たちはこの初期段階の道を選んだのです。

時限設定された秘密

先月アルゼンチンで開かれた36時間イーサリアムハッカソンの場で構築されたKimonoプロジェクトは、暗号とゲーム理論を組み合わせようとするプライバシー強化を目指すプロジェクトだ。

サンフランシスコのソフトウェアスタートアップ企業Hill Street Labs社のPaul Fletcher-Hill氏、Feridun Mert Celebiat氏、Graham Kaemmer氏、and Daniel Que氏の4人の開発者が着想したこのプロジェクトは、ブロックチェーンで長年に渡り議論されてきた時限設定された秘密の問題を解決することを目指している。

Kimonoはシャミアの秘密分散アルゴリズムの一種を組み合わせて動作する。この方法ではデータを分割し、定刻にデータを公開することを保証する報奨制度を利用している。

もしユーザーが、データを偽造したりデータの公開を早めたりしてシステムを不正に操作しようとすると、結果的にペナルティが科せられる。

約束して公表する方法(commit and reveal scheme)のように似たような他の方法が既にある一方で、Kimonoは報酬を受けた参加者のネットワークにアウトソースすることで、時限設定のユーザー体験を改良しようとしている。

私たちは時限設定の概念としてのこの方法を重要なプリミティブと見ており、改良して真に分散化された信頼を不要とするレベルにまで引き上げたいと考えています。

Celebiat氏はこのように述べている。

Celebiat氏は、時間が秘密を公開する唯一の変数とならないように将来的に報酬スキームを拡張できることを理論化した。

時間を変数とした関数だけでなく、ブロックチェーン上で満たされる条件に依存した特定のイベントが発生した後で公開するような方法を取れる可能性があります。

Celebiat氏はCoinDeskにこのように述べている。

現在のところこのソフトウェアはイーサリアムのRinkebyテストネット上で動作しており、いずれはHill Street Labs社のプロジェクトに統合される予定だ。

Celebiat氏はこの技術の恩恵について次のようにCoinDeskに述べている。

イーサリアムを利用する人が増えるとプライバシーや匿名性を利用する機会が増えるので、時限設定は分散型ネットワークにとってとても便利なプリミティブです。

さらなる秘密

最後に、まだ提案段階ではあるものの、開発者のTope Alabi氏が設計したEIP 1024と呼ばれるコード変更は、イーサリアムブロックチェーンに簡単な暗号・復号機能を導入することを目指している。

Alabi氏はコードについてCoinDeskに次のように説明している。

EIP 1024は、自分のイーサリアム秘密鍵を使って暗号鍵ペアを生成できます。この新たに生成した暗号鍵ペアを使って任意のイーサリアムアドレスに安全にデータを送信できます。

繰り返しとなるが、Parity社が提案する方法や通信プロトコルのWhisperのように、同じような技術は既に存在するが、EIP 1024はイーサリアム全体に渡って機能する標準に影響するものだ。

「このことは、アプリ開発者は複数の暗号を実装する心配をする必要がなくなり、アプリを作ることだけに集中できることになります」Alabi氏はCoinDeskにこのように述べている。

Alabi氏によると、イーサリアムの標準はメッセージングやトークン転送を安全にする可能性があるが、ブロックチェーン技術に新規参入する人が増えているので、この標準は次第に重要となるだろう、とのことだ。

「プライバシーはさらに十億人のユーザーがブロックチェーンに参加する触媒となる可能性が十分にあります」Alabi氏はこのように述べ、次のように補足した。

ブロックチェーンの世界では公開鍵と秘密鍵は基本的にデジタル認証となるものですが、機密性の高い個人情報を中央管理主体が検閲できないように回送する方法が必要です。

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