リップルのスマートコントラクト設計者、新技術の標的はイーサリアム

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リップルのスマートコントラクト設計者、新技術の標的はイーサリアム

リップルの前CTO(最高技術責任者)ステファン・トーマスが、新しいスマートコントラクト・プラットフォームの導入で、イーサリアムと対峙しようとしている。

いや、「新しい」というのは語弊があるかもしれない。今日、トーマスが導入を公表したプラットフォームのCodiusは、2014年にリップルがベータ版を発表したオープンソース型のプロジェクトで、その翌年に取りやめとなった。

しかし今、5月にリップルを去った後、トーマスは自身の新会社コイルの技術的支援を受けて、Codiusを再始動させたのだ。

Codiusを使用することで、コイルはウェブサイトがそのコンテンツの収益化手段を変えることを目指している。

トーマスによると、ウェブコンテンツの収益化はこれまで広告や有料コンテンツ、あるいはフェイスブックが最近騒動を引き起こしたユーザーデータの収集など、実りの少ない「次善策」に頼ってきた。

しかし彼の新プロジェクトは、異なる台帳間で支払いを行なうためにリップルが開発したオープンソース型プロトコル、Interledgerによって、利用者のブラウザが訪問したウェブサイトに対し少額決済ができることを目的としている。

人々が映画を見た場合、その代金を一括で支払うのではなく、映画製作に関わったすべての団体に少しずつ支払えるような「収益支払い契約」といった使用例が、Codiusでは可能になる。

あるいはCodiusのスマートコントラクトは新聞社と読者の交流を促し、読者の権限を受けた上で購読予約を完了させ、「読者のお金の管理人のような役割を果たす」とトーマスは語る。

今日発表された内容は、Codiusのスマートコントラクトをアップロードし、ホストの役割を理解するチュートリアル(アップロードした側は、自分のコンピュータ上でスマートコントラクトを行ない、ホストにお金を支払う)を含んでおり、開発者がこのプラットフォームをすぐに利用することを後押ししている。

そしてすでに一部の開発者達がこのプラットフォーム上で作業予定であることが、コインデスクの独占取材で明らかになっている。

ベルギーの国家支援の通信会社プロキシマス・グループの子会社で、ルクセンブルクを拠点とするITソリューション企業のテリンダスは、「直接電子商取引の斬新なモデルをさらに進めていくために」Codiusを利用することを、テリンダスの設計部長トマス・シーラーがコインデスクに語っている。

ソーシャルゲーム会社として有名なユニティ、ジンガ、そしてカバムに投資していたジョシュ・ウィリアムズは、現在は水面下で活動しているゲーム会社を含む新しい事業にCodiusを活用するつもりだという。

ウィリアムズはコインデスクに次のように述べている:

ゲーム制作などに関わるチームはイーサリアム上で作業をしていますが、コストとスケーラビリティ問題(ブロックサイズが固定されていることから生じる問題)に直面しています。

Codiusはこれらの問題を解決する可能性を秘めており、それを使って開発を進めたいと考えています。

トーマスもこの意見に賛成で、イーサリアムはスマートコントラクトの使用例の実現可能性を示してきたものの、同時にイーサリアムを基盤としたアプリケーションがスケーラビリティ問題を抱え続けることから、その環境下での脆弱性を指摘している。

イーサリアムとは対照的に、Codiusを使えば開発者はあらゆるプログラム言語でスマートコントラクトのコードを書くことができ、スマートコントラクトを「スマートオラクル(外部の情報を提供するシステムのこと)」として機能させ、外部のデータソースとのやり取りが可能となる。

そのような機能を備え、トーマス曰く、Codiusが道を切り開くのだ。

「我々の元にはこんな声が届いています。『実は、イーサリアムを試しているんだ。ところがスケーラビリティ問題を抱えていてね。金もかかるし、動作も遅い。柔軟性が欠けている。こんなぎこちない言語では書けないよ』」

何が変わったのか?

ではなぜリップルはCodiusを中断していたのか?

2015年初頭にCodiusが産声を上げたとき、トーマスによればイーサリアムのメインネットはまだ稼働してはいなかったらしいが、その考えは時期尚早に思われていた。

当時、リップルのエンジニア達はプラットフォームを相互運用のモデルとして褒め称え、リップルに最も関係の深いXRPといった仮想通貨だけでなく、ビットコインイーサリアム、さらに法定通貨までも扱えると言っていた。

しかしプロジェクトは壁にぶつかった。

スマートコントラクトを追加することは台帳の概念を切り崩す新しい取り組みだったが、その技術構造は複雑だった。

2015年の時点では、ブロックチェーンにスマートコントラクトを組み入れることは、データベースに直接ソフトウェアを書き込むこと、つまり困難だったと、トーマスは語る。

コインデスクとの最新インタビューでトーマスは、その問題を1970年代のコンピュータサイエンスがすでに解決したことに、チームが気づいたと言っている。

データベースにアクセスするデータ層とユーザーインターフェースのプレゼンテーション層の間に、ビジネスロジックを処理する「アプリケーション層」が挟まっている3層アーキテクチャ(ネットワークを構築するための技術基準)が開発されていたのだ。

Codiusはその中間層として機能するだろうと、トーマスは語る。

XRP台帳で資産にアクセスしたり、イーサリアム上のデータにアクセスするのにもコードは少ししか必要とせず、さらにHTTP(通信プロトコルの一種)を要求することで、さらに柔軟性の高いアーキテクチャを構築することができます。そしてより重要なことは、それらのコントラクトを別のコントラクトと結びつけることも可能になるのです。

しかしそうしたプラットフォームを作成するためには、台帳間で効率よく通信しなければならず、当時はそれが不可能だった。そこでリップルはオープンソース型のインターレジャー・プロトコルを開発し始めたのだ。

さらにトーマスは言う:

その時はスマートコントラクトが非常に成熟した産業だとは思っていませんでした。正直に言って、使用例に価値があるかどうか疑問でした。

そのようなものとして、Codiusは棚上げされた。しかし3年を経て、このスマートコントラクト・プラットフォームの価値に対するトーマスの疑念は消え去った。

それよりむしろ、彼は取引手数料の高さや処理速度の遅さなど、イーサリアムのスケーラビリティ問題に着目し、スマートコントラクトが「主流から離れ、イーサリアムから距離を置き」、多くの異なる台帳を含む、より柔軟なアーキテクチャへと移行するための準備が整った印だと捉えている。

イーサリアムを駆逐?

しかしここ数年でイーサリアムを駆逐すると思われているのはCodiusだけではない。

Codiusを含むこれらの製品はみな、取引をより速く、より安くできることを宣伝しているが、それらは一様にセキュリティやブロックチェーンの大きな恩恵である分散化を犠牲にしているのだ。

例えばイオスは分散型のプルーフ・オブ・ステーク(仮想通貨の保有量が多いほど取引承認権が多いシステム)を用いた仮想通貨プロジェクトで、現在メインネット上で展開しているが、取引の速度と安さを売りにしている。

ブロックチェーンで検証を行なうノード数がわずか21で、イーサリアムやビットコインのように分散型コミュニティのすべてのマイナーに検証される必要がないのだ。

しかしトーマスは、Codiusの仕組みによって開発者はネットワーク上で定められている妥協点を受け入れるのではなく、自分で優先順位を付けられるようになるという。

「分散化のレベルを自分で選べるようになります」トーマスはコインデスクに語った。

4つか5つのホストをアップロードすれば、イーサリアムと同程度の分散化レベルになりますが、それでもコストはかなり低く抑えられます。あるいは100のホストをアップロードすれば、分散化レベルもイーサリアムを超える莫大なものとなるでしょう。

セキュリティについても、イーサリアムや他のスマートコントラクト・ブロックチェーンに対していくつかの利点があるとトーマスは言った。

一つ目は、ネットワークが規定のコントラクトのコードを個別に保管し、攻撃への脆弱性を最小限に抑えた仮想化ツールDockerコンテナを利用した、オープンソース型のプロジェクト、ハイパーコンテナ(HyperContainer)上に作られているというものだ。

そして二つ目は、Codiusの開発者がJavaScript等ほど知られていない、Solidityのような新しい開発言語に囚われる必要がないという点である。

多くの問題点や妥協点、あるいは大きなハッキング被害は、まだセキュリティに不安を抱えた新しい開発言語が直接の原因となっています。

トーマスは語る。

価格については、トーマスはイーサリアムの取引コストと比較している。イーサリアムでは60セントから1ドルに達することもあり、アマゾンウェブサービス(AWS)のLambdaプラットフォームでは100万のリクエスト数に対し20セントだ。AWSは中央集権型だが、Codiusのコストは「これらの最高値と最安値の間に」収まるとトーマスは期待している。

トーマスにとって、Codiusの展開はウェブコンテンツやそのエコシステムの収益化のために基盤となるプロトコル作成の第一歩となる。企業がAWSではなくCodius上でウェブサイトを管理し、コイルが「開かれた形でのSpotify(音楽ストリーミング配信サービス)」、すなわち、消費者、インターネットのサービスプロバイダ、そしてウェブサイトやコンテンツ制作者をつなぐプロトコルとして機能することをトーマスは信じている。

コードはまだ「粗削り」だが、トーマスは楽観的だ。開発者達が今日のビジネスにおける問題を解決するために、スマートコントラクトを書き上げることで、Codiusは進歩していくだろうと考えている。

彼は結論付けた:

柔軟性と同様、コスト、スケーラビリティ問題、そしてセキュリティの観点からしても、主な使用例としては、より実現可能性が高いものになっています。

訂正:この記事の前回のバージョンでは、ジョシュ・ウィリアムズがユニティ、ジンガ、そしてカバムで勤務していたと伝えていました。彼はこれらの企業への投資家です。

Ripple Smart Contracts Creator Targets Ethereum with New Tech Launch – CoinDesk