英国政府の公文書を保存する英国国立公文書館は、記録の共有にブロックチェーンが使えないかを調査している。
Archangelと呼ばれる調査プロジェクトはサリー大学が主導し、政府機関Open Data Instituteなどの協力の下で進められている。この取り組みの目的はいくつかあるが、中でも公文書管理に関する喫緊の課題にどの程度対処できるかを調査することになっている。
火曜日に公開されたブログ投稿の中で、同公文書館のデジタル保存担当責任者Alex Green氏は次のように書いている。
いま見ている記録が20年前に記録されたものと同じであることをどのように証明すればいいでしょうか?・・・デジタル公文書の信頼できる管理者であると市民から思われるようにするにはどのようにすればいいでしょうか?
このような問題に対処するため、Archangelプロジェクトではデジタル記録が修正されたものであること、そしてその修正が合法的なもので本物の記録であると最終的に信頼できるものであるかどうかをどのように知ることができるかを調査しています。
「特にこのプロジェクトではこの目標を達成するためにブロックチェーンが利用できる可能性について調査しています」Green氏はさらにこのように述べている。
英国公文書館は世界最大で最古の公文書館として、率先してこの分野の標準を確立し成功事例を打ち立てようとしている。
そのため、このプロジェクトでは「利用者が英国公文書館と共同で『記憶と記録の施設』(Archives and Memory Institutions)の枠内で特定の分野に大きな影響を与える」ことを目標としている。
Archangelプロジェクトの予定期間は18ヶ月だ。Green氏によると、このプロジェクトでは「デジタル化されデジタル形式でのみ存在するコンテンツのデジタル署名を収集する」分散台帳技術サービスのプロトタイプを作ることになっている。
この調査プロジェクトは英国工学・物理科学研究評議会が資金援助している。この評議会では数学、物質科学、情報技術などの分野に年8億ポンド以上を出資している。