ブロックチェーンベースの決済ネットワークであるRipple社は、ビットコインを支えるブロックチェーン技術を世間に促進するために、世界中の17の大学に5,000万ドルを寄付しています。
同社は、6月4日にWebサイト上で、University Blockchain Research Initiativeと呼ばれるパートナーシップを発表し、この寄付は仮想通貨ではなく米ドルで支払われると述べました。
サンフランシスコに拠点を置くRipple社は、以下のように声明を出しています。
「世界のトップ大学との共同研究であるUniversity Blockchain Research Initiative(UBRI)を立ち上げることができて興奮しています。
ここでは、ブロックチェーン、仮想通貨、デジタル決済に関わる学術研究や技術革新を支援し、促進させます。」
ブロックチェーン技術への関心の高まり
Ripple社によると、人々は分散型台帳が世の中の仕組みを変えるという可能性を意識し始めているため、ブロックチェーンへの関心が高まっているとのことです。
「国境を越えた支払いの迅速化、コストの削減、透明性の向上など、新しいビジネス適用例から商品へのブロックチェーン技術の使用まで、世界中の学生や教職員がより強固で貴重なブロックチェーンおよび支払い技術の開発に大きな貢献をしています。」
Ripple社が投資している17大学は次のとおりです。
- プリンストン大学(情報技術政策研究センター)
- MIT(コンピュータサイエンス人工知能研究所)
- ペンシルバニア大学(ウォートンスクール)
- インド工科大学ボンベイ
- オーストラリア国立大学法学部
- デルフト工科大学(オランダ)
- FGV(ブラジル)
- カリフォルニア大学バークレー校(Haas School of Business)
- ハイデラバード国際情報技術研究所(IIIT-H)(インド)
- 高麗大学(韓国)
- テキサス大学オースティン校(McCombs School of Business)
- ノースカロライナ大学チャペルヒル校(米国)
- ロンドン大学(イギリス)
- ルクセンブルク大学(米国)
- ニコシア大学(キプロス)
- オレゴン大学(米国)
- ウォータールー大学(カナダ)
Ripple社は、世界中に投資を行い、ブロックチェーンの将来像に対する自信を世界に示しています。
同社は2018年4月に、ブロックチェーン・ベンチャーに1億5000万ドルを投資する予定のファンドであるBlockchain Capital Parallel IVに、2500万ドル相当のXRPを投資しました。
同社はまた、仮想通貨価値の上昇による利益を社会問題対策に使用しています。
2週間前、俳優のアシュトン・カッチャー(Ashton Kutcher)氏と協力し、絶滅のおそれのある種を助けるために、Ellen DeGeneres Wildlife Fundに対し、4百万ドル相当のXRPを寄付しました。カッチャー氏はリップル投資家ですが、ビットコインには否定的です。
一方、ブロックチェーン技術は、その多用途性のために紙面を賑わかせ続けています。小売大手のウォルマートは最近、ブロックチェーンをベースとしたデジタル市場の特許を申請しました。
ダイヤモンドジュエリーの世界最大の小売業者であるシグネット・ジュエラーズは、南アフリカの宝石生産会社デビアスグループが開発したダイヤモンド・ブロックチェーンプログラムに最近加わりました。
ブロックチェーン技術を採用する仮想通貨懐疑派
仮想通貨に否定的な人でさえ、ブロックチェーン技術は医療、銀行、サプライチェーン管理、エンターテインメント業界を変える可能性があると認めています。
そのため、ロックフェラー家のような資産家でさえ、ブロックチェーンのスタートアップに投資しているのです。
ウォートン・スクールやスタンフォード大学などの世界トップのビジネススクールの多くは、ビットコインとブロックチェーンについての授業を含むMBAコースを提供しています。
ウォートン・スクールの教授であるケビン・ウォーバッハ(Kevin Werbach)教授は、「我々は、この分野を教える需要があるところにいる」と語りました。
ジョージタウンのビジネススクールの指導者で、元ナスダック幹部であるジョン・ジェイコブス(John Jacobs)氏は、「ブロックチェーン技術をどのように適用するのかを理解する人が必要です。絶えずリクルーターから、適切な人材がいないか電話で相談を受けています」と述べました。
Ripple Donates $50 Million to 17 Universities to Boost Blockchain, Crypto Adoption