世界を救う? ブロックチェーンの夢から覚めるワシントン

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世界を救う? ブロックチェーンの夢から覚めるワシントン

「誰が本当に成果を得るのか?」

6月1日にワシントンで開催されたブロックチェーンの社会への影響についての会議で、300人の参加者の間で囁かれていたのは、まとめるとそんな発言だったかもしれない。

米国平和協会に集まったグループはイーサリアムの企業家から仮想通貨関連の国際的な開発者にまで及んでいただろうが、これほどの広範囲だったにもかかわらず、発言は驚くほど似通っていた:人々が望んでいるのは、成果、成果、そして成果だ。

オックスファムの太平洋圏資金及び生活アドバイザーのサンドラ・ハートはコインデスクに語った。

「私達は複雑な環境下でブロックチェーンのストレステストを行なわなくてはなりません。それは供給側というより、需要側が求めているのです」

概念証明や景気の良いトークンセールにまつわるチャットの興奮の日々は去った。残されているのは、人々やコミュニティを巻き込んで製品やサービスを支援することで、成果を得るのに最善の方法とは何かという疑問だ。

例えばハートは、世界で最も自然災害を受けやすい島国の一つ、バヌアツ共和国でブロックチェーンの試験プログラムを扱っている。このプログラムは2018年9月から2019年2月まで行われる予定で、最近の火山被害によって家を失った最大1,000世帯の人々の預金を、ブロックチェーン上のIDを活用して移動させるという。

会議の参加者はみな、ハートがオックスファムの人道主義に基づくブロックチェーン・プログラムを設立してから直面したのと、同じ困難と機会に気づいていた。

すなわち、権利を奪われた人々にとってブロックチェーンが最も役立つのは、地元の習慣やインフラを補うべく、受益者やコミュニティのリーダーと協力して設計されたときであると。

イーサリアムを中心とした新興の複合企業コンセンシスの常任理事バネッサ・グルレは、ハートが会議の出席者に向けて発言したことに同意している。

「経済的側面を考えずに行動を変えようとするようなプロジェクトには、まったく賛同できません」

グルレはコインデスクに語った。

この発言は、技術者は富を生み出すことにこだわる必要はないが、人々が既存の製品やサービスをどのように利用しているかについて耳を傾けるべきであるという彼女の信念を示している。

ハートの場合、オックスファムはバヌアツ身体障碍者協会とユース・チャレンジ・バヌアツと連携し、法廷貨幣を表すスマホのアプリケーションを開発している。コミュニティがクレジットカードやトークンよりも、デジタルデバイスや現金に慣れ親しんでいるためだ。

会議でハートの周りにいた多くの専門家達は、熱心なブロックチェーンの推進者達で、多様なコミュニティと共にアプリケーションを作っていたが、それぞれのコミュニティに合わせたものではなかった。

現実世界を忘れずに

ハートが会議で話したもう一つの議題を手短に言うと、コミュニティ内におけるトークンの支持者を広げる必要があるかどうかということだ。彼女は最終的に、元々興味がなかった人々がトークンに引き付けられることはないと主張している。

「文化的背景から考えると、利便性に疑問が残るのはごく当たり前のことです」

彼女はさらに付け加えた:

「受益者や避難している人々は、現物支給ではなく自分で何を買うかを選びたいものなのです。これは支援過程において、尊厳と選ぶ権利というものを引き出してくれるのです」

ブロックチェーン・プロジェクトの背後にある二つの問題は、多くの人々が解決しようとしている問題を理解していないことと、実際に苦難を経験している人々と協働することの難しさであることを、グルレも認めている。

さらに悪いことに、人々が実際に使用する上で重要な要素であるデザインを最優先に考えているチームはほとんどない。一方で、革新的なプロジェクトは理想を追い求めて現実を見ないあまり、具体的な結果を伴わないことがあるのだ。

「少しずつ変わってはきているのです。システムが」グルレは言う。

「問題は常に、システムを変えることなのです」

多くの分野に渡って活動している者が直面するのは、いつも同じ問題だ:旧態依然とした官僚主義である。

これらの共通の落とし穴にはまらないように、グルレはブロックチェーンの推進者達に、混乱を広げながらも利用者の習性を利用して少しずつ計画を進めることを勧めている。

こうすることで、その文化的背景から西洋の習慣を受け入れられないという拒絶感を和らげることができるのだ。

「銀行口座を持たない人々に口座を作らせたいわけではないのです」グルレは言う。

「拒絶されるようなシステムに彼らを組み入れたくはありません。新しいシステム、新しい信用価値、資本、資金を手に入れられるような新しい組織への関わり方を作る手助けをしたいのです」

例えばグルレは送金時の摩擦や手数料を減らす新事業に魅力を感じているものの、ブロックチェーンによる解決策ではまだ手付かずの問題が残されている。

「送金の受け取り側にほとんど選択肢がないという事実を解決しなくてはなりません。コストを減らすことはできます。しかしそれは一時しのぎに過ぎません」

加えてそうしたコミュニティは、技術者達がシリコンバレーやロンドンで享受しているような接続性というものを備えていない。

「ブロックチェーンから外れてしまったとき、物事にどう対処するでしょうか?」ハートは電力も不足しがちなバヌアツの一部の地域について語る。

「これらの製品をどうやって開発するでしょうか。そして、この人道主義が求められる環境の中で、開発者はこれに微調整と変更を加え、製品の適応性と使いやすさをさらに高めなければならないのです」

利用者ではなくパートナーとして

本当の解決策は分散型技術で資源を入手することである。

その目標に向けて、今週終了したトークンセールで3,000万ドルを集めたライトメッシュといった新興企業は、彼らがいつも語っている場所にトークンを保管しようとしている。

ライトメッシュのブロックチェーン製品部長ブリアンナ・マクニールは、同社がすでにおよそ100人の開発者をバングラデシュで採用し、将来のメッシュネットワーク・プラットフォーム上のアプリケーションを開発しているとコインデスクに語った。

最終的に、ライトメッシュの利用者は自分のモバイルデバイスでWifi環境がなくても、メッシュネットワークにアクセスできるようになるという。

これはハートも触れた、インフラへの挑戦である。

「彼らはあらゆる種類のオープンソースのアプリケーションに取り組んでいます」マクニールは言う。

「私達はメッシュネットワークのすべてのアプリケーションを知っているわけではありません。だからそのツールは開発者の手元に置き、いくつかのコミュニティでは接続性がなかったために開発できなかったようなアプリケーションを、新たに作りたいのです」

これはグルレが2018年で最も興奮したと述べた発言で、オープンソースの開発者コミュニティの多様性を広げるものだった。

「私達は真の国際化を目にしています。この考えを世界に広め、地元の才能で解決策を生み出す。アメリカやヨーロッパだけの話ではないのです」

避難民のコミュニティに関するパネルディスカッションの中で、TechfugeeのCEOジョセフィン・グーブも同様の決意を観衆に伝えている:「私のところに来て、アプリを作ることを頼むのは止めてください」

その代わりにグーブは、彼女の企業が居場所を失った人々が自分達のツールを作り出せるよう、資源と機会を提供していることを明らかにした。彼女はブロックチェーンによる解決策で、国連人権委員会が全世界でおよそ6,560万人と見積もった避難民を救おうとしていることに、警告を発している。

グルレ曰く、これらのコミュニティを強化した後に地元へのその影響力を測るには、同じレベルで企業や組織を活動させることだという。

「この分野で重要な鍵は協同です」グルレは言う。

「政府、慈善団体、NGO、企業、技術者、そしてあらゆる人々が同じ部屋で協同することなくして、成功することはないでしょう」

しかしなおも、国際的に活躍する開発者達の間では疑問が残っている:「なぜデータベースの代わりにブロックチェーンを使用するのだろうか?」

国連世界食糧計画の刷新及び移行管理の責任者ロバート・オップは、ヨルダンのシリア人難民10,000人に食料を配給する、イーサリアムの試験プロジェクトについて述べた際、この難問に答えた。

「ここが世界食糧計画の終着点ならば、データベースを使用するでしょう」彼はこの計画が500,000人にまで拡大し、ID認証技術が必要になることについて観客に語った後、こう付け加えた:

「ここは終着点ではありません。ここが出発点なのです」

Save the World? Blockchain’s Big Dreams Come Back to Earth in DC