混乱の中、分散化された未来が作られつつある

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2017年5月に開催されたCoinDeskのConsensus会議で、私が暗号とブロックチェーン業界で今後起きることを予測したとしても、あなたは私の言うことを信じなかっただろう。

当時CoinDeskのBitcoin Price Index(BPI)は約2,400ドルだった。半年後には1万ドルを突破したが、ちょうどその時、1,300人の投資家と金融専門家がConsensus: Invest会議の開会式に参加していた。しかしこの価格は12月中旬につけた史上最高値の19,783ドルに至る通過点に過ぎないものだった。

これを受けて、シカゴ商品取引所とシカゴ・マーカンタイル取引所がビットコイン先物取引に参入し、プロの投資家が暗号通貨に賭ける手段が与えることとなった。2018年には市場全体の雰囲気が変化した。中国、韓国、米国での規制上の取締りの結果、Bitcoinの価格は4カ月で3分の1に下落した。

Bitcoinだけが乱高下したわけではなかった。CoinDeskのICOトラッカーによると、Consensus 2017の後の11ヶ月間で83億ドルがICOにより調達された。

coinmarketcap.comに上場しているすべての暗号通貨とデジタルトークンの時価総額の合計は、1月初めのピーク時には8,310億ドルを超え、2017年5月から900パーセントの上昇を記録した。Consensus 2018で総括されたように直近の週の時価総額は3,750億ドルだった。

時価総額の変動と、一般市民の間で沸きあがった「一体何が起こっているのか?」という問いで、ビットコインと暗号通貨、そしてブロックチェーン技術が新聞の見出しを飾った。これらは突然、夕食時の話題となった。

母親は暗号通貨に病み付きになっているティーンエイジャーの子供たちにどのコインを買うべきかを尋ねていた。

何年もの間この分野に関わっていた私たちは、あなたもビットコインで億万長者となった1人か?、と聞かれるような興味の的となった(はっきり言っておくが、明らかに私はその1人ではない)。

このレベルの大衆の好奇心はまったく新しいものだった。しかし市場マニアは暗号通貨についてはそうではなかった。2017年から2018年にかけてのBPIチャートは2013年4月30日からの12ヶ月に似ている。

144.30ドルだったビットコイン価格は2013年12月4日に1,151.30ドルに上昇し、2014年4月30日には445.87ドルまで下落した。残りの1年間は多かれ少なかれ停滞していた。2011年の暦年も同じような動きだった。この年は30セントから開始し、6月8日に当年最高値の29.60ドルに達し、その年の最後を4.25ドルで締めくくった。

私たちは2017年はバブルだったと考えているが、2013年と2011年もバブルだった。この両年の最高水準への回復は、2000年3月のドットコムバブルのピーク時の水準に戻るまで15年掛かったナスダックの場合よりもずっと早かった。暗号通貨市場は投資ブームの本質を再定義し、投機、反発、縮小、回復のプロセス全体が加速しているのかもしれない。

中身の検証

とは言え、価格は変動するものだ。人々は価格に気を取られ、投資のアイデアが眠っている重要な技術革新を見落とすことになる。そのため私たちは暗号通貨マニアの騒動の中にあっても、暗号技術自体の開発にも大きな変化が起きていたことに気付かなければならない。

この同じ12ヶ月間に、ビットコイン・コミュニティで3年間続いた「ブロックサイズの議論」と呼ばれる内輪もめは、ビットコインのソフトウェアハードフォークを実施してブロックサイズの大きな新しい競合バージョンを作るという、対立的な結末を招いた。

その結果、Bitcoin Coreとして知られていたブロックサイズの小さなオリジナルをサポートしていたコミュニティは、コードの変更を自由に組み込めることとなった。

最も重要なことは、分離して別の領域に格納するプロトコル(SegWitプロトコル)のアップグレードが導入されたことだ。これにより、データ管理が簡素化されソフトウェアの他の部分の改善が可能になった。

特にSegWitは、Satoshi Nakamoto氏のホワイトペーパー「ライトニングネットワーク」以来、最もエキサイティングな暗号の革新技術の1つとなった。

今ではビットコインやライトコインなどの暗号通貨に採用されてまだ初期段階だが、ライトニングネットワークは取引処理を大幅に増やし、デリバティブ的なスマートコントラクトを可能にし、コスト削減が期待できるオフチェーンの決済チャネルソリューションだ。

これに負けじとイーサリアムの開発者らは独自のスケーリング構想を発表した。これにはライトニングネットワークに触発されたRaidenとPlasmaが含まれていた。これらは大規模なスマートコントラクトを可能にすることを目指していた。

一方、Polkadot、Ripple、Cosmosなどの新しいプロジェクトではブロックチェーンの相互運用性を模索したが、開発者の多くは管理不要なトークン売買のための分散型取引に取り組んでいた。

一方で企業やNGO、政府機関は、様々な使用事例に対応したブロックチェーンプロジェクトを立ち上げた。サプライチェーンマネジメント、デジタル認証、土地所有権、貿易金融、商品取引所、分散型発電、付加製造のための新たな民間あるいは公共の協力が毎日のように始まっていた。

国連、IMF、世界銀行はブロックチェーン研究所を設立した。既存の企業、スタートアップ企業、さらには州政府や市で構成されるコンソーシアムが、エネルギー、気候データ、IoTのオープンソース標準を探究するために結成された。ブロックチェインを稼働させるためにあらゆる地域の人々が努力していた。

これらのアイデアの多くは時代を先取りしている。その主な理由は、ビットコインやイーサリアムなどのプラットフォームを管理する基本的なインフラやプロトコル、プログラミングルールが十分に開発されていないためだ。そのような提案がなされていることが、ブロックチェーンの中心的な開発者にとって圧力となっている。

90年代のオンラインブームに向けて準備が整うまでの数十年間、知られずにパケット交換や伝送制御とインターネットプロトコルの研究に取り組んできた大学や公的資金の援助を受けたインターネットの創設者と異なり、ブロックチェーン開発者らは注目の的となっている。

高度に投機的な暗号通貨市場が収益を上げたいと考えている一方で、世界はすでに応用事例を求めている。

数十億ドルの資金を費やしたからといって、ソフトウェアのテストと開発のための理想的で落ち着いた環境は作り出せるものではない。

それでも開発者には選択肢がない。好むと好まざるとに関わらず、経済圏は順番にではなく一度に集まってくる。プログラマや暗号技術者は、より洗練されたコード、よりスマートなセキュリティソリューションの設計、ベースプロトコル層またはその上の層でより高速な取引メカニズムをインストールすることに取り組んでいる。

これはデイトレーダーが複数の暗号通貨トークンを出し入れする際に発生し、開発者自身の純資産額に巨大で混乱を招くような旋回を引き起こす。

この混乱の中で、最終的には秩序がもたらされるだろう。秩序は証券取引委員会のような規制当局が強制することになるだろう。証券取引委員会規則を制定して実施するが、革新を潰さないことを望む。

秩序はまた、市場の要求に突き動かされたコミュニティ自体からもたらされるだろう。トークンを発行するスタートアップ企業、ソフトウェア監査などの品質保証、自主規制の統治機関が標準を奨励し、紛争を裁定し、不正行為を廃止するための成功事例が必要だ。

バブルを歓迎する

ヒステリーはこの業界の発展が系統的な直線を描くことを保証しないが、狂った市場を否定的な現象として見る必要はない。

歴史上、変革技術の到来には開拓期の西部のような投機が伴う。そのような投機は、電気、鉄道、そして90年代のインターネットで行われた。

経済学者のCarlota Perez氏が説明するように、投機とバブルは単なる副産物ではなく、新しく破壊的な技術がどのように開発され、展開され、最終的に経済に組み入れられるかを示す中心的な特徴となるものだ。

投機は安価な資本を解放する。その多くは、1999年のPets.comのような常軌を逸した過大評価された提案に投資した初期の投資家の私腹を肥やしているだけだが、実際の価値あるインフラにも資金を提供している。

ドットコムバブルの時代は、光ファイバーケーブル、巨大なサーバー施設、3Gモバイル技術の研究など、物理的なインフラに資金が投入された。90年代には馬鹿げたアイデアに何十億もの資金が無駄に費やされたが、ドットコムバブル崩壊後のインターネット2.0を支えるインフラ構築にも費やされた。

アルゴリズム検索、クラウドコンピューティング、スマートフォン、ソーシャルメディア、ビッグデータ、その他諸々の機能は私たちの生活様式を変え、途方もなく裕福で強力な技術を持つ少数の巨人たちを作り出した。

現在これに相当するものは何だろうか? 暗号通貨バブルによって解放された資本は、物理的インフラではなく、社会的インフラに資金を提供している。トークンの評価は現実と合わず、多くの人にとって大きな損失を意味している。

しかし、彼らはまた、革新者のグローバルグループにオンラインで集まり、新しい分散型経済モデルを思い付き、このアイデアをオープンソースソフトウェアの形でコーディングしている。

彼らのスタートアップ事業は失敗する可能性もあるが、彼らの書いたコードは後で他の人が自由に利用できるようになり、2000年代にドットコム時代の力がGoogle、Facebook、そして企業を助けてくれた時よりも手軽で安価に利用できるようにさえなるだろう。

どのような新たな革新が現れるのかは分からないが、初期の革新者が未来の構成要素である分散型経済を築いている、と言えるだろう。

大きなアイデア

このような時には大きなことが起こりつつある、と広く理解されている。その経済的影響を予測するのは難しいことだ。そのため人々はあらゆるものに手当たり次第に投資する。

必然的に彼らの賭けは度を超え、価格は下がる。このようなことが現在暗号通貨の世界で起きていることは、基礎をなす技術の重要性を裏付けるものかもしれない。

これはいくつかの根本的な疑問を提起する。そのような興奮を生み出す大きなアイデア、つまりパラダイムシフトは何か? なぜ、ほぼ10年後の現在、市場は誰も管理していないソフトウェアシステムに基づくデジタル資産に1,440億ドルの値付けをしているのだろうか? 分散化され検閲に抵抗する価値を交換するシステムのどこが特別なのだろうか?

私が考える大きな基本的なアイディアは、ブロックチェーン技術は、過去数十年のビジネスモデルだけでなく、文明に対する深い意味を持つ何千年もの社会慣行に強烈な影響を与える可能性がある、というものだ。

その分散化された構造は、台帳管理での大きな変化、すなわち価値の追跡と割り当てのための社会の方法を劇的に再想像する前兆となる。この分散構造は、紀元前1754年頃にバビロンで書かれた最初の台帳であるハンムラビ法典で導入された中央集権モデルを覆すものだ。

台帳が私たちの生活様式にどれほど重要かを誇張して言うのは難しい。簿記がなければ現代社会は全く機能しないだろう。誰が誰に何を負っており、個人や企業、経済全体の資産にどれだけの価値があるのか、分からなくなる。

それは、われわれが見知らぬ人の間の不信の中核的な課題をどのように克服するか、すなわち、一連の事実について合意に達し、価値の交換を行う方法だ。これは文明の本質だ。当然ながら、この機能を変換するものは何であっても非常に重要だ。

これまで、私たちは中央管理された台帳保持者に頼らざるを得ず、原則的に台帳を管理する者の意見に従う必要があった。規制当局や監査人に自分達の仕事を無作為にチェックさせるようにしたが、データの正確さについては分からず、台帳管理者の言うことを信じるしかなかった。

この縦割り型の台帳管理は、様々な形で「信頼のコスト」をもたらす。2008年の金融危機にその例を見ることができるが、リーマン・ブラザーズやロイヤル・バンク・オブ・スコットランドなどの銀行が作成した台帳に対する社会の信頼が失われた。

もう一つの例はあまり明白ではない。世界中の企業で何百万人もの会計士が、それぞれの会社の台帳を取引相手の台帳と一致するようにする、といういつ終わるとも分からない仕事をしている。なぜか? 互いに信用していないからだ。

ブロックチェーンはこの中央管理的なアプローチを分散化され共有された台帳で置き換える見込みがある。この共有元帳の更新は、堅牢で継続的な合意にリアルタイムで従う。

アクセス権を持つすべての人は、任意の時点で、合意された取引と残高の最新の状態を知ることができる。毎週、毎月、四半期、または毎年の調整と監査は不要だ。金融システム全体のリズムが変わる可能性がある。

それは金融データだけに限らない。あらゆる種類の価値ある情報は、この分散化された方法で追跡できる。この情報には、デジタル認証、資産の所有権、コンプライアンス情報を定義するオンラインデータが含まれる。この情報はあらゆる種類の仲介者を不要にする可能性がある。

その理由は、既知の中央管理された台帳管理者に依存するのではなく、相互の不信を解決する分散化アルゴリズムによって、互いに直接取引することができるからだ。このシステムがIoTの信頼できるデバイスとつながれば、マシン間の取引も可能になるだろう。

このような転換は、想像もできない新しい効率を暗示する。この転換によって計り知れない新しい形の価値が生み出される可能性がある。そして既存のビジネスや仕事を大きな混乱に陥れる可能性がある。

このような見通しは夢想家の集団意識を呼び起こし、かつてないほどの経済的投機をもたらした。どこに向かっているのかは分からない。しかし、何か深遠なことが進行中であるように感じられる。

ブロックチェーンはソフトウェア技術だが、その広範囲にわたる可能性は、投機と想像力の巨大な副次的な産業を育んできた。ブロックチェーン技術が「稼働する」につれて、この荒々しく複雑な創造的革新と破壊のプロセスは激しさを増すだろう。

これはエキサイティングでもあり挑戦的でもあるが、大きな見返りが得られる可能性がある。我々と一緒にその仲間に加わろう。

Amid Chaos, Our Decentralized Future Is Being Built