日本の暗号通貨取引所Coincheck社は来月、プライバシーを重視する暗号通貨のMonero (XMR)、Zcash (ZEC)、Dash (DASH)を上場廃止にする意向を示している。
東京を拠点とするCoincheck社は、1月に発生した5億3000万ドル相当のNEMトークン(XEM)の盗難事件を受けて証券会社Monexに買収されたが、今後はこれらの暗号通貨の取引を行わないことを金曜日に発表した。上場廃止となる暗号通貨はBitcoinなどのブロックチェーンベースのコインよりも取引の追跡が難しいものだ。
Coincheck社では、同社の内部統制制度を「抜本的に見直し」、また新たに「顧客を全面的に保護する経営戦略」の一環として、これらの暗号通貨の取引を終了するという結論に至った、と述べている。
CCNのレポートによると、日本国内で運営する暗号通貨取引所に認可を与える監督官庁の金融庁は、取引所に対してプライバシーコインの上場を廃止するよう圧力を掛けていると噂されている。
金融庁は記録的な被害金額となった1月のハッキング事件以来Coincheck社に対して取引所としての許可を保留していたが、同社がMonexに買収された理由の一つは、盗難事件を受けて金融庁が同社に課していた業務改善命令を同社の前オーナーが順守できなかったためとされている。
そのため新たな内部統制によるこれらのプライバシーコインを上場廃止する動きは、金融庁に取り入ろうとする同社の試みと解釈することもできよう。
暗号通貨Augurのレピュテーション(高評価)トークン(REP)は同社の予測市場のネイティブ資産となるものだが、同様に上場廃止となる予定だ。これはおそらく無免許でギャンブル営業を行おうとしたことと関連していると見られている。
トレーダーは6月18日までにXRM、DASH、ZECを引き揚げなければならない。引き揚げずに残っているコインは市場価格で売却されて円に換金され口座に振込まれることになる。