Telegram社のPavel Durov CEOはロシアのセキュリティ部隊と闘っている。
このセキュリティ部隊は、「ロシアセキュリティ機関が暗号化されたユーザーメッセージにアクセスするのを承諾すること」という司法命令を断ると、2018年4月16日月曜日に同社のメッセージアプリをブロックした、とロイターは伝えている。
この動きはロシアの監視機関であるロシア連邦通信局トップのAlexander Zharov氏が指揮しており、この措置の中でAmazonとGoogleのサブネットワークとIPアドレスが封鎖された。
「我々は両社に対し、両社のクラウドサービスに関連するかなりの数のIPアドレスを司法命令により現在ブロックしている、と報告した」
Zharov氏はこのようにコメントした。同氏はさらに、Telegram社はロシアと近隣諸国に対するテロリストによる「統制された攻撃」に利用されている可能性がある、と述べた。
しかし状況が思わしくない中でもDurov氏は諦めていない。それはTelegram社がユーザに送付した以下の通知文に現れている:
「過去24時間、Telegram社はロシア国内のインターネットプロバイダーによってアクセスが禁止されています。その理由はロシアのセキュリティ当局への暗号鍵の提供を断ったからです。
私たちは当然の判断をしたまでです。弊社はユーザーに対し完全なプライバシーの保護を約束し、弊社が存続する限りこの約束を守り続けることを誓います」
Durov氏はロシアのソーシャルネットワークVKのアカウントを使って、プロキシサーバーとVPNを提供するAmazon、Googleの両社と個人にビットコインを提供していることを明らかにした。同氏は個人的に「何百万ドルも寄付したことを嬉しく思う」と述べ、VPNとプロキシサーバーがロシア当局による妨害に対抗して稼働していることを指摘した。
プロキシサーバーはクライアントとサーバー間のアクセスを肩代わりするものだ。クライアントは通常外部のサーバーに情報を求め、その結果をプロキシサーバーに紐付ける。プロキシサーバーは外部からのデータをもっとも簡単に管理する方法を決定する。
さらにプロキシサーバーはユーザーが匿名でアクセスできるようにし、特定のIPアドレスに対するブロックを迂回できる手段を提供する。
VPNは公衆網でプライベートなネットワークアクセスを提供するもので、ユーザーは自分の身元を明かさずに情報をやり取りできる。Durov氏によると、両システム共にサードパーティーの資金提供を必要としており、同氏が資金提供することで自分以外にもこのシステムの提供に参加してほしいと呼びかけている。
過去24時間での争いの動きが示しているように、ロシアの監視当局は外部プロジェクトが失われることにはお構いなしにクラウドに対する数百万ものIPアドレスをブロックするつもりだ。
ロシアはTelegram社のユーザーの7%に過ぎないが、Durov氏は最近のアクセス禁止は「憲法に反するもの」だとしており、プライバシーと行動規範への脅威はユーザー数の割合よりも重要だ、とコメントした。
「(ロシア市場の)すべてを失うとしても、他の地域でのTelegram社の本業が成長することでその損失は数ヶ月で取り戻せます」Durov氏はこのように述べている。「しかし、ロシアのユーザーに対してできることは確実にすべてやることが個人的には重要だと思っています」
Telegram’s Pavel Durov Is Using Bitcoin to Bypass Russian Sanctions