学生寮の部屋でビットコイン採掘を行ってきたしたたかな大学生は、暗号通貨価格の下落とマイニングコストの上昇というダブルパンチに直面している。
そうした大学生はマイニングコストとしての電気代が寮費に含まれているという恵まれた環境にいる場合もあるが、最近大幅に下落した暗号通貨価格のため、利益マージンが大幅に食われている状況だ。
一方、ゲーム業界でも使用されているコンピューターグラフィックス処理ユニット(GPU)の需要が急増しているため、暗号通貨マイニングを行うために必要なハードウェア価格にプレミアムがつき、その結果ゲーマーや採掘者が先を争ってグラフィックカードの購入に走っている。
フォーブス誌が指摘しているように、そうしたグラフィックスカードを購入するには、Nvidia GTX 1070は699ドルから850ドルの価格帯になる。大半の大学生にとってこの価格は、ちょっと手が出ないレベルだ。
ビットコイン価格がまだ一桁で取引されていた時期から6年間にわたってビットコイン(BTC)をマイニングしてきたフェアリー・ディッケンソン大学(FDU)の4年生は、CNBCに次のように語った。「今となっては金額が高くて支払いできない状況になっている」。
ファーストネームがアレックスというのこの学生は、ビットコインのマイニングに数千ドルを投資し、停電対策を施しGPUを慎重に配置することで、大学に知られることなくビジネスを続ける方法を見つけた。
まず最初に彼が言ったのは、暗号通貨のマイニングは「それは当時としては、現在ほど電気を食う作業ではなかった」。しかし最近、彼のビットコインマイニング事業は、彼の寮の部屋と自宅とで24時間休みなしの操業でおよそ8週間ごとに200ドルから1,000ドル程度の収入が彼のもとに入るが、それは勉強のための書籍代に充てられている。
しかし、すべての大学生ビットコイン採掘者がキャンパス内でマイニング機器を稼動するわけではない。過去数年間に何種類かの暗号通貨を採掘したノースウェスト・ミズーリ州立大学生は、学生に対して「公平な分担された電力」以上に電力を消費すると述べた。
また「キャンパス内の電力を自分のマイニングに使うのはモラル的に許されない」と続け、「マイニング機器はたいてい、1時間に1キロワットもの電力が必要とする」と言った。
一方、もう一人のFDUの学生は、コンピュータはゲームをするためのものと当初は考えていたが、2017年末にビットコイン価格が現在の2倍以上になったため暗号通貨のマイニングの誘惑に逆らうことができなかった。
彼は暗号通貨販売所のナイスハッシュ(NiceHash)を利用して暗号通貨をマイニングしたが、実際には一日あたり0.00027ビットコイン程度しか稼ぎだせなかった。
ふくらみ続ける問題
ビットコインのマイニングでは、ボーナスと引き換えにブロックチェーンを進めるためのマイニング証明として知られる複雑な方程式を解く必要がある。しかし、完了したトランザクションやブロックが多いほど、複雑なパズルを解決できるようになり、より多くのビットコイン、モネロ(Monero)などをマイニングするために電力消費量を増やすことで、結果的に問題を大きくするだけだ。
ビットコインのマイニングは今日のFDUの大学生にとって不透明な領域のように見えるが、それは今後変わる可能性がある。
CNBCおよびFDUによると「FDUはファイアウォールレベルでの暗号通貨のマイニングをブロックし、許容される利用規約が次回改定される時に暗号通貨マイニングができないような特定の言語を追加するだろう」とのことだ。
もし大学が学生のビットコインマイニングを規則で禁止するとすれば、一度は持ち直した暗号通貨価格のメリットを大学生が失う可能性がある。
Student Cryptocurrency Miners Face Rising Costs, Squeezed Margins