コラム:アマゾントークンは世界中で利用される暗号通貨となるか?

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ユーティリティベースの暗号通貨とべき法則ネットワークの特徴を持つ企業が結びついて、世界中で採用される暗号通貨、アマゾントークンを作り出す絶好のチャンスが到来した。

アマゾンの完全循環型経済

仮説に基づく未来のシナリオでは、アマゾンが2018年に顧客に提供する商品群やサービス群には、オンラインショッピング、食料品、ウェブサービス、人工知能、IoT、動画や音楽のストリーミング、ヘルスケア(開発中)、銀行業務(小規模ビジネスローン)が含まれる。

例えばアマゾンは100カ国に商品を出荷し、15カ国で小売向けウェブサイトを展開している。合衆国内で見ると、オンラインショッピングをするうちの55%がまずはアマゾンで検索し、8千万人以上がアマゾンプライムに登録している。

将来的には顧客にこだわった低価格の「アマゾン経済」がすべての産業に進出し自給自足するようになるかもしれない。言い換えるとアマゾンはあらゆるものをあらゆる人に「最高」でもっとも安い価格で販売するつもりだ。

今回の仮説に基づいたシナリオでは、その国の通貨で取引される15カ国でアマゾン市場の代わりに、シングルサインオン、数百万のユニークなASIN、アマゾントークンが唯一の支払方法であるようなグローバルなアマゾンE-コマースを考えてみる。

LendEDUが1000人のアマゾンユーザーを対象に行った最近の調査では、その52%がアマゾンで購入する際にアマゾンが発行した暗号通貨を利用するだろう、と回答した。ではアマゾントークンはどのようなものになるだろうか?

トークナイゼーションに対するアマゾンの過去の取り組み:アマゾンコイン

アマゾンは2013年にアマゾンコインを発表した。これはアマゾンアプリストアで「Kindle Fire上のアプリ、ゲーム、アプリ内アイテムを購入する」合衆国のユーザー向けに考案された仮想通貨だ。

使用期限のないアマゾンコインは1セントと等価なので、100アマゾンコインは1ドルの価値があることになる。アマゾンアプリストアでは24%の値引きすることでアマゾンコインで支払わせるようにしている。アマゾンコインに興味のある読者はこちらで購入できる。

最終的にアマゾンコインはいくつかの理由で大ヒットとはならなかった。

  1. アマゾンコインはアマゾンアプリストアというニッチ市場だけで価値がある。アマゾンが提供する他の商品やサービスではアマゾンコインは使えない。
  2. 未使用のアマゾンコインを他者に売る二次市場が存在しない。
  3. 多くのユーザーはアマゾンコインで支払う際に、例えば「アマゾンアプリストアでアイテムを購入するのに、普通のお金で買えるのになぜアマゾンコインに両替する必要があるの?」といったような余計な手間が掛かると感じている。

興味深いことに、独自の経済圏の中で長期に渡り利用できる仮想通貨を作ろうとし(て失敗し)た企業はアマゾンだけではない。2005年にマイクロソフトはXbox市場のコンテンツ向けにMicrosoft Pointsを導入した。2009年にはFacebookがゲームの購入と仮想ギフト向けにFacebook Creditを導入した。どちらも現在は広く使われてはいない。

アマゾントークン(AMZN)

アマゾンはニッチ市場ではなくアマゾン経済圏全体に目を向けることで、世界中で買い物ができる単一のポータルを作りユーザーに喜びを与えることができるかもしれない。うまく実装すれば、アマゾントークン(AMZNと呼ぶことにしよう)は世界初の世界通貨となり1兆ドルの売り上げを達成する可能性がある。

実装

アマゾンがAMZNトークンを実装する方法は数多くあり、アマゾン経済圏にトークンを組み込む度合もいろいろと考えられる。ここでの例では、アマゾンのビジョンが誰もがアクセスできることにあることを念頭に、アマゾンが提供するすべての商品やサービスは世界中で購入できるが支払いはAMZNでなくてはならない状況を考えてみよう。言い換えると、AMZNトークンはアマゾンプラットフォームへのドアの鍵を開けるものだ。

ユーザーはアマゾンのサービスを利用することを強いられるのではなく、むしろアマゾンがもっとも安く「最高の」商品とサービスを提供するという理由でAMZNトークンを使うことを選ぶようになるだろう。

この例が実現するためには次のような仮定も必要だ。その仮定とは、アマゾンはAMZNトークンウォレットのモバイルアプリとウェブ版アプリを作成し、ユーザーがAMZNトークンを安全に保管し効率よく入出金できるようにし、さらにアマゾンはトークンの取引所を用意してユーザーが二次市場でAMZNトークンを購入できるようにする、というものだ。

トークンの種類

アマゾンの関心(と暗号通貨やユーティリティトークンにまつわる様々な規制問題の解決の仕方)に応じて、AMZNトークンを設計する際に考えられるトークンにはいくつかの種類がある。

ユーティリティトークン

AMZNトークンはアマゾンプラットフォーム上での交換媒体としての役割を果たす。また法定通貨(フィアット)では不可能な追加機能を利用することも可能にする。

このケースではアマゾンは、この日以降はフィアットでの支払いを受け付けない、という期日を設けるかもしれない。アマゾンは巨大なネットワーク効果を活用して8000万人以上ものプライムユーザーを直ちに移行させることができる。移行を促すためAMZNトークンの一部を無料でプライムユーザーのウォレットに追加することもあり得る。

AMZN暗号通貨への移行が完了すると、現在のアマゾンプラットフォームとの唯一の違いは、すべての取引が自国通貨ではなくAMZNトークンで行われる、ということだけになる。アマゾンの株はいつも通り取引されるだろう。

ハイブリッドトークン

AMZNトークンは株券とユーティリティトークンを合わせたようなもので、フィアットではできないような追加機能を利用でき、株券のように将来のアマゾンのキャッシュフローを得る権利をトークン所有者に与えるものだ。

ハイブリッドトークンモデルはリスクを許容することを求めるが、将来的には金融的な仲介に頼る必要性を無くすことができる可能性がある。

アマゾン経済圏の中でAMZNトークンを使って商品やサービスを購入するというのは斬新なアイディアではあるが、AMZNトークンを使って既存の株主価値を置き換えるという点ではどうだろうか? もしアマゾンのフリーキャッシュフローの裏付けがあるというなら、AMZNトークンは従来の株式の特徴と似ていることになり、企業内で分割所有できることになる。

今やトークン所有者はただの投機家ではなくアマゾン経済圏の実際の消費者であり所有者でもある。トークンを貯め込んでおいて投機家が価格を吊り上げることによる利益を期待するのはもはや有望な戦略ではない。その代わりトークンを使用することがすべての投機家にとって具体的な価値となる。つまり、売り上げが増えると結局はフリーキャッシュフローが増えることにつながるはずだ。

極端な場合、アマゾンがトークンセールを通じて資本を増やし、アマゾントークン交換所を管理し、消費者と株主の両方からの有益な結果を自分のものにする能力を持つようになるので、従来の株式市場の有用性は疑わしいものになる。アマゾンは、倉庫労働者からCFOまで、その従業員にアマゾントークンで給料を払うことさえできる。もし他の会社が追従するとすれば、金融市場に大きく影響するだろう。

2050年:AMZNトークンと共に暮らす

ここで、2050年の一級市民を代表して、シアトル在住の25歳、オスカーのケースを考えてみる。

彼は健康保険としてAmazon Healthを利用し、Whole Foodsで買い物をし、Amazon Videoでニコラス・ケージの映画を鑑賞し、Amazon.comで買い物をし、貯金はAmazon Bankのロボットアドバイザー(自動資産運用システム)が管理し、個人データはAmazon Web Servicesに保管し、仕事に出ている間はAmazon Alexaが部屋の管理をする。

先週、オスカーはAMZNトークンで購入したチケットを使って日本に出張した。日本滞在中、海外での支払い手数料や外貨両替で慌てたりする心配は不要だった。滞在先のホテル、地元の店やレストランのどこでもAMZNトークンを使うことができた。ホテルから土壇場で注文したプライムデリバリーのおやつもAMZNトークンで支払った。

オスカーがフィアットで支払うことは滅多になく、その必要もない。地元でお気に入りの店や農家の直売所でもAMZNトークンが使えるからだ。ありがたいことにAmazon Bankは未使用のトークンをプロジェクトに「出資」してプロジェクト完了時に返金することで毎年3%の利息が貯金に追加される。例えばロボットアドバイザーのアルゴリズムがオスカーのトークンの一部を、インドネシアのジャカルタにアマゾンの倉庫を建てるプロジェクトに6ヶ月間融資したとする。倉庫が完成したらオスカーが「出資した」トークンは3%上乗せされて戻ってくる。自分のAMZNトークンがグローバルな市場に貢献し、間接的にはジャカルタの従業員に雇用の機会を与えたことにオスカーは満足する、というわけだ。

誰もオスカーにアマゾンのサービスを利用するよう強制したわけではない。彼はアマゾンが好きなので何を買うにもアマゾンを使っているだけだ。アマゾンを使うことが、彼が必要とする商品やサービスを「最高」でもっとも安い値段で入手できる方法だ。

FAQと関連事項

ここまで見てきたAMZNトークンの理想化されたビジョンは素晴らしいものだが、AMZNトークンが汎用的な暗号通貨となり交換媒体となる前にアマゾンが回答しなければならない疑問点が数多くある。

  • トークン流通速度:ユーザーがトークンでの支払いを活発に行っていることをアマゾンはどうやって確認するのか? さもなければAMZNトークンの価格が上昇するとユーザーはトークンを使わずに貯めておくようになり、さらに価格を押し上げることになる。もしユーザーがAMZNトークンを使わなければ、AMZNトークンは交換媒体ではなく価値を蓄えるものとなる。しかし、すべてのAMZNサービスがAMZNトークン建てで価格設定されているとすれば、AMZNトークンがアマゾンのサービスを購入できる唯一の手段となるので、この問題は軽減される。
  • 動的な価格設定:アマゾンは世界中で提供するサービスの価格をどのように設定するのだろうか? 一つの方法は、AMZNサービスの価格を地元通貨の価格にペッグすることだ。例えばアメリカのWhole Foodsで購入したバゲットが1ドルだったとする。もしAMZNトークンの1単位の価値が1ドルだとしたらこのバゲットの値段は1AMZNトークンとなる。もし1AMZNトークンの価値が10ドルならこのバゲットの値段は0.1AMZNトークンとなる。
  • 信託の義務:トークン所有者が保有するAMZNトークンの価値が上がることを保証する責任がアマゾンにはあるのか? 報酬は消費者とアマゾンの間で適切に配分されているのか?
  • 外部の投機:もしAMZNトークンが二次市場で取引可能だとしたら、その取引価格は消費者にとってあまりに不安定なものにならないか?
  • トークン経済:アマゾンはどれだけの数のAMZNトークンを発行するべきか? 決められた数だけとすべきか? アマゾンはどのように金融方針を定めるのか?
  • マクロ経済に与える影響:AMZNトークンは地元の法定通貨のインフレ率を上げる可能性がある。アメリカ連邦準備制度理事会のJerome Powell議長が最近伝えたところでは、彼はアマゾンとE-コマースは過去10年間、物価とインフレ率を低く抑えるのに貢献してきたと考えている、とのことだ。もしアマゾンがアメリカのE-コマース全体に占める44%のシェアのすべてを引き揚げるとすれば、ドルのインフレ率に影響を与えるかもしれない。

1994年の設立以来、アマゾンはE-コマース、ウェブサービス、デジタルコンテンツ、人工知能のパイオニアであり続けてきた。そうすることでアマゾンは世界でもっとも価値のあるネットワークを築いてきた。最近の暗号通貨の発展と共にアマゾンは、ここでご紹介した仮想的なAMZNトークンが示したように、そのネットワークを利用して真に世界中で受け入れられる通貨を作るというまたとないチャンスを得ている。

アマゾンの既存のネットワーク、商品、サービスはアマゾンが発行するトークンにビットコインに対する優位性をもたらし、世界中で広く受け入れられる交換媒体となるかもしれない。

Op Ed: Could an Amazon Token Become a Viable Worldwide Cryptocurrency?