ライドシェア事業で業界を震撼させたウーバーの共同創業者Garrett Campが、今度は仮想通貨ビットコインの座を狙っている。報道によれば、彼は新たな仮想通貨Ecoの立ち上げに携わり、世界のトップ大学も巻き込もうとしているという。
『フォーチュン』の記事によれば、Ecoは「生態系(Ecosystem)、経済学(Economics)、Eコマース(E-commerce)」から名付けた。Ecoはビットコインに正面から争いを仕掛けている。Campは『フォーチュン』の記事で次のように語っている。
別の哲学に立った新しいプロジェクトを立ち上げるのがいいと気づいたのです。インターネットのように、多くの大学や科学者、研究機関の協力を仰ぐことになります。
打倒ビットコイン
設計提案書によれば、ビットコインは本来あるべき「交換の手段」ではなく「投機対象」となっており、Ecoはその本来の姿を目指すという。Ecoはビットコインの特徴を次の3点にまとめている。
- 一部の保有者への集中
- エネルギー消費の多いマイニング
- 詐欺の温床
そして、Ecoが目指すのは次のような姿だ。
- 「(ビットコインのように有志のマイナーが承認プロセスを行うのではなく)大学がノードとなって承認ネットワークをつくる」
- 「トークンの供給を増やす」
- 「シンプルな設計にする」
非営利組織のEco財団は、Ecoが「紙のお金よりも簡単で安全で早い国際的通貨」となることを狙っている。ビットコインと異なる点は多くあるが、なかでも特筆すべきは、この新しい仮想通貨は無料だということだ──初期の参入者にトークンの総量の半数を譲渡することになっている。
ビットコインと同様、Ecoにも発行上限がある。しかし、ビットコインの2100万枚に対して、Ecoは1兆枚に及び、「何十億のユーザーがEcoトークンを保有できる」(設計提案書)。公式ウェブサイトはEcoを「だれでも利用できるデジタル通貨」とうたい、無料分を獲得するための待機リストのようなものを提供している。
Mark ZuckerbergがFacebookを作った経緯にも似ているが、Ecoは承認ネットワークを世界中の大学から構成している。この仕組みはエネルギー効率もよく、「公平な分配と協調的な金融インフラの構築に役立つ」という。
最近、米国の証券取引委員会などによりイニシャル・コイン・オファリング(ICO、仮想通貨による資金調達)への規制強化の動きが強まっているが、EcoはICOを目的とするものではない。Campは『フォーチュン』に対して、試行版が数ヶ月以内に稼働すると話した。
https://eco.com/home?locale=ja
‘EcoCoin’: Uber Co-Founder Unveils a New Cryptocurrency