アナリスト企業のBernstein社によると、中国を拠点とするbitcoinの採掘企業Bitmain社は、同社よりも規模の大きなライバル企業が20年掛けて築き上げた業績を4年で達成した。
北京に本社を置くBitmain社は2013年に登場した企業だが、昨年の営業利益が30億数ドルに達したことが、Bernstein社がCNBCに寄稿したデータで明らかになった。カリフォルニアに本社を置く半導体メーカーのNvidia社は時価総額1470億ドルを誇るが、2017年の営業利益は30億ドルだった。
Bitcoinの採掘環境は計算を実行するコンピューターネットワークで構成され、問題を解いたことに対する報酬としてbitcoinが与えられ、さらにネットワークが増強される。Bitmain社は採掘のための設備を売ることとbitcoin採掘プールを実行することの両方で利益を得ている。採掘プールでは複数のマイニングマシンを組み合わせて大規模に計算を行っている。
bitcoinの採掘に使用するコンピューターの半導体を提供する、というNvidia社の役割を考えると、両社の業績が好調であることは、中国が最大限に努力しているにも関わらず、bitcoinの採掘業界に減速の兆しがまったく見えないことを反映している。
Bernstein社によるBitmain社の利益の見積もりは、75%の粗利と65%の営業利益に基づいたものだ。確かにBitmain社は昨年bitcoinの価格が天文学的に高騰したことの恩恵を受けているが、同社は非常に戦略的な取り組みも行っている。「Bitmain社はbitcoinの価格に応じて同社が販売するマイニングマシンの価格を抜け目なく調整している」Bernstein社のリポートはこのように指摘している。
つまり、bitcoinの価格が急騰するに連れて、Bitmain社が販売するマイニングマシンAntMiner S9の価格も上がる一方で、製造原価は増えないので、Bitmain社は利鞘を稼ぐことができる、ということになる。
Bernstein社によると、Bitmain社は「bitcoinのマイニングマシンとASIC」の80%を占める。Bernstein社はBitmain社が優勢な情勢は2018年も続くと予測しているが、暗号通貨市場とBTCの価格を取り巻く不確実性を考えると、その先を予測するのは困難だ。
Bernstein社のリポートの中で灰色に塗られている部分が、Bitmain社に収益をもたらす重要なチャンネルを表している。
中国依存からの脱却
中国政府がbitcoinの採掘施設を含む暗号通貨に対して厳しく取り締まるようになると、抜け目ないBitmain社は市場に対してより寛容なスイスに展開していくことを明らかにした。実際、同社はスイスのツークにあるクリプト・バレー(Crypto Valley)のまさに中心部に活動の拠点を移そうとしている。
同社は昨年、イスラエル、カナダ、シンガポールに事業所を開設することで、営業活動のさらなる多角化を図っている。
一方で、分析リポートでBitmain社の比較対象とされたNvidia社もまた、暗号通貨に対する需要の高まりから恩恵を受けている。bitcoinのマイナーは、例えばNvidia社やAMD社のグラフィックボードを利用して、採掘事業を推し進めている。グラフィックボードメーカーにとってゲームは今でも中心的な市場だが、暗号通貨の果たす役割はますます重要になりつつある。
ヤフー・ファイナンスより
Nvidia社の株価は過去数年に亘る暗号通貨に対する需要の高まりを受けて上昇している。しかし同社は暗号通貨市場からもたらされた収益の割合を公表してこなかった。直近の四半期の業績についてNvidia社の重役は、暗号通貨事業の収益は直前の四半期と比較して上昇した、と述べた。
Bitcoin Giant Bitmain Rivals GPU-Maker Nvidia in Profits, Analysts Say