台湾の首都台北市はIOTA財団と共同で、ブロックチェーンに代わるものとしてIOTAが開発したTangleを市民IDに導入しようとしている。
情報技術部長のWei-bin Lee氏は、台北市はDigital Citizen Cardプロジェクトに向けてIOTAおよび地元の新興企業BiiLabs社と提携することを正式に発表し、CoinDeskに対して、この取り組みは台北市が計画している多数の概念実証計画の一つだ、と語った。
台北市はIOTAのTange IDサービスを特にいくつかのプロジェクトに利用するつもりだ、とLee氏は述べたが、Digital Citizenプロジェクトの詳しい内容には立ち入らなかった。
CrowdFund Insiderによると、Digital Citizen Cardは不正防止IDシステムの機能を果たし、なりすましを防ぐものだ。
Lee氏はCoinDeskへの電子メールの中で次のように説明している。
「私たちは基盤として利用できるDigital Citizen Cardに関連する応用を開始しようとしています。また自治体同士または公共機関同士のデータ交換(例:カルテ)に対する認証と完全性のチェックを強化しようとしています」
そうは言いつつも、Lee氏はまた台北市では「スマートシティー」になるという目標に向かって進展させることに役立つほかの提案も募集している、と述べた。そのため台北市は他の可能性のある技術にも働きかけるつもりだ、とLee氏はCoinDeskに語った。
台北市はIOTAの技術を検証する一方、いかなる種類の暗号通貨も使用していない、とLee氏は述べた。
今後展開されるこのプロジェクトの詳細はまだ議論されていないが、IOTA財団はプロジェクトをさらに支援するため台北市内に事務所を開設した、とKee氏は語った。
当面、台北市情報技術部、BiiLabs社、IOTA財団は概念実証を進めるためのプロジェクト提案について議論を続けるだろう。この3者はこれらのプロジェクトを詳しく検討する作業部会を設置した。
Lee氏は次のように締めくくった。
「概念実証の完了後に結果を評価します。そこから進むべき道が見えてくるでしょう」