仮想通貨で税金がかかるタイミングはいつ?4つの取引に注意

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仮想通貨取引で得た利益は、所得税の対象となります。副業で稼いでいる人も、趣味で取引している人も、きっちり税金計算をする必要があります。

今回は、仮想通貨にかかる税金について、課税方法や課税されるタイミングを解説します。

仮想通貨に税金はかかるのか

2017年に国税庁は、『仮想通貨の利益は雑所得として扱う』と正式に発表しています。つまり、所得税法による課税の対象だということです。

No.1524 ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係|所得税|国税庁

雑所得で確定申告が必要

仮想通貨によって得た利益は、簿記上の『雑所得』に含まれます。ただし、事業用資産として仮想通貨を所有し、事業用の決算で利用するなどした場合は、事業所得に含まれるなどの例外はあります。

一般的なサラリーマンが副業としてビットコインの売買をした場合は、雑所得として計算されることになります。この場合、売買利益が20万円を超えると確定申告が必要です。

総合課税による累進税率が適用

所得税は、収入(所得)を得た人に対して課せられる税金です。その仕組みの基本は、総合課税による累進課税です。

所得はその性質によって、10種類に分けることができます。その中でも退職所得や山林所得などの特殊な所得を除くすべてが総合課税の対象となり、総所得額の合計によって課税額が決まる仕組みになっています。

仮想通貨によって得た利益は、総合課税の対象となる雑所得です。事業所得や雑所得などの総合課税に該当する所得を合計し、そこから所得税額が計算されます。

総合課税は所得が多くなるほど課税率が高くなるシステムを採用しており、これを『累進課税(るいしんかぜい)』といいます。

つまり仮想通貨取引では、利益が大きくなればなるほど、その利益にかかる所得税も大きくなるということです。

所得税の速算表

2018年2月現在の所得税速算表は以下の通りです。

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円超 330万円以下 10% 9万7,500円
330万円超 695万円以下 20% 42万7,500円
695万円超 900万円以下 23% 63万6,000円
900万円超 1,800万円以下 33% 153万6,000円
1,800万円超 4,000万円以下 40% 279万6,000円
4,000万円超 45% 479万6,000円

所得金額と税率だけの計算では、1万円の差で税率が異なり、所得が少ないほうが実質的な収入が多くなるということが起こってしまいます。

それを避けるために本来なら段階的な税率計算が必要ですが、その計算を省略するための『控除額』があらかじめ計算されています。

No.2260 所得税の税率|所得税|国税庁 – 国税庁ホームページ

損益通算ができない

仮想通貨の所得は雑所得となるため、損益通算することができません。損益通算とは、所得の赤字をほかの所得の黒字から埋め合わせすることをいいます。

たとえば、事業所得で赤字が出たときに、経常所得(不動産所得や雑所得など)の黒字から差し引いて計算できるということです。しかし、雑所得では損益通算ができないため、損益が出ても事業所得や不動産所得の黒字を相殺することはできません。

ただし、仮想通貨による所得を事業所得とした場合は損益通算ができます。事業所得として計上できるかどうかは、営利性・利益性・継続性などで判断することになります。

自分で判断ができない場合は税務署や税理士に相談して、正しい回答をもらいましょう。

課税されるタイミングに出金は関係ない

仮想通貨は所得税の対象となると述べましたが、どのタイミングで課税されるのかが重要なポイントです。国税庁では、『仮想通貨を使用することで得た利益に所得税が課せられる』との見解を発表しています。

仮想通貨に関する所得の計算方法等について

1 仮想通貨の売却

仮想通貨の売却で得た利益は、『仮想通貨の使用で得た利益』に該当します。購入価額よりも売却価額のほうが低かった場合は、利益として計算されることはありません。

たとえば、100万円で仮想通貨を購入し、価額が150万円になったところで売却すると、売却によって得た利益は50万円です。この50万円が雑所得として計算され、課税の対象となります。

2 商品の購入

仮想通貨で商品を購入した場合も、同じように利益が発生した差額が所得対象となります。国税庁が発表している商品購入の際の計算方法は以下の通りです。

  • 商品価額 – 1コインあたりの取得価額 × 支払コイン枚数 = 所得金額

1コインあたりの取得価額 × 支払コイン枚数で、『支払コイン枚数あたりの取得価額』が計算できます。そして商品価額から支払コイン枚数あたりの取得価額を引いた額が、所得金額となる計算です。

たとえば、100万円で1ビットコインを購入し、110万円の商品を1ビットコインで支払った場合は、110万円 – 100万円 = 10万円の利益として計算されます。

国税庁ではビットコインを例に挙げていますが、ビットコイン以外のアルトコインも計算方法は同じです。

3 仮想通貨のトレード

トレードと言っても、保有している仮想通貨で別の仮想通貨(商品)を購入する『売買』であるといえます。つまり、仮想通貨同士のトレードも、商品購入と同じ計算方法で算出できます。

商品購入の場合は商品購入時の商品価額で計算し、仮想通貨トレードの場合も同じように、仮想通貨購入時の価額で計算することになります。支払に使う仮想通貨は、その通貨を購入した当時の時価で計算されるので注意しましょう。

4 ハードフォークで収入を得る

保有している仮想通貨が分裂(ハードフォーク)したことによって新しい仮想通貨を入手した場合、その通貨の取得価額は0円となります。

ただし、売却したときに利益を生じた場合は、その差額分は課税対象となるので注意しましょう。たとえば、新しく入手した仮想通貨をすべて売却して100万円を入手した場合、100万円全額が課税対象ということです。

仮想通貨の取得価額とは

先ほどの計算にも出てきた『仮想通貨の取得価額』は、どのようにして求めるのでしょうか。仮想通貨の取引が一度であれば、単に購入価額が取得価額となります。

しかし、追加で購入した場合や、途中で一部を売却した場合など、取得価額にバラつきが出て計算が難しくなります。ここで、基本的な計算方法を確認しておきましょう。

移動平均法で求める

仮想通貨の取得価額を計算する方法として、取得価額をすべて合計してコインの枚数で割る『総平均法』と、仮想通貨を購入するごとに平均値を出す『移動平均法』の2種類があります。

総平均法は継続して適用しなければいけないため、基本的には移動平均法によって取得価額を求めます。

移動平均法では、仮想通貨を購入するたびに取得価額を合計して、保有コインの枚数で割ります。追加で購入した場合、同じように購入価額を加算してコインの枚数で割ると、コイン1枚あたりの取得価額が算出されます。

計算は簡単ですが購入のたびに計算し直す必要があるため、アプリケーションやExcelを使って自動計算できるようにしておきましょう。

利確したら損切りも検討しよう

所得の計算は、1月から12月までの1年間の損益で行います。仮想通貨取引による利益が20万円超えと確定していれば、所得税の支払が必要です。

損切りした分は相殺できる

前述したとおり、雑所得は損益通算できないため、雑所得で出た赤字に対して不動産所得や事業所得などの黒字と差し引きすることはできません。しかし、雑所得内で出た黒字や赤字はすべて相殺することができます。

仮想通貨取引において、利益確定分には所得税が課せられますが、含み損を抱えている保有通貨に関しては所得税計算の対象外となります。その場合、利益確定分だけ所得税がかかってしまうことになります。

含み損を抱えている保有通貨を売却しておけば、利益確定分との相殺ができます。反対に、含み益が出ていても利益確定をしない限り所得税の対象となりません。

よって、うまく調整して年間の雑所得の黒字を0円にしておけば、所得税がかからないことになります。

まとめ

仮想通貨への投資で資産を増やしたいのであれば、税金に関する知識は必須です。特に、サラリーマンが副業で投資をしている場合、知識がなければ慣れない確定申告で失敗することになりかねません。

所得税の支払で後悔しないためにも、税金のかかるタイミングやその仕組みをしっかり押さえておきましょう。