仮想通貨は資産管理が大切。便利なツールを使って安全に管理しよう

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物理的な実体を持たない仮想通貨は、セキュリティの面を考えても、一般の資産と違った意味で管理が重要となります。今回は、仮想通貨として資産を持つ場合の考え方と、モバイルとPCそれぞれの環境で利用できる管理ツールについて、詳しく解説します。

仮想通貨は資産管理が大切

安全性にも配慮しつつ、仮想通貨を含めた資産を有効活用するためには、手持ちの資産状況を把握することが大切であり、その手法として代表的なものに、『ポートフォリオ』があります。

ポートフォリオとは

資産を運用(投資)する場合、複数の銘柄に分散投資を行い、収益性とリスクを管理する手法がよく取られます。複数保有する資産の種類や銘柄を、それぞれへの投資配分などの比率で評価したものを、ポートフォリオと呼びます。

ボラティリティ(相場の変動幅)やリスクなどの性質が異なる、複数銘柄の通貨や証券などは、ポートフォリオの上でそれらを並べることで、資産状況が見やすくなり適切な管理に役立ちます。

仮想通貨投資に関するポートフォリオであれば、所有している通貨の銘柄を列挙し、それぞれへの投資比率を併記した表のようなものになります。

理想的なポートフォリオのバランス

それでは、仮想通貨投資において、理想的なポートフォリオのバランスは、どのようなものでしょうか。

初心者はビットコインを

仮想通貨の中でも最も長い歴史を持ち、知名度が高く安定感がよいビットコインは、初心者向けと言える通貨です。

ビットコインは、たとえば『シカゴ・マーカンタイル取引所』など公共性の高い市場へ、先物としての上場が進んでおり、世の中に金融商品として受け入れられつつある仮想通貨と言えます。

そういった情勢は、ビットコインの安定性を高めるので、リスク管理も比較的に容易となります。仮想通貨投資を始めた当初は、やはりビットコインを主力に置くことが賢明でしょう。

3つの指標をチェックする

現在では、仮想通貨の種類も多岐にわたり、その数はさらに増え続けています。その中から、どの通貨で資産を持つべきか迷うところです。

ここでは、仮想通貨に資産を配分するときに考慮すべき、重要な3つの要素についてみていきます。

時価総額が高い

一般的に、人気があるものは多くの人が求めるために、その価格が上がります。仮想通貨において、人気度合を測れるひとつの指標に『時価総額』があり、その算出方法は以下に示すとおりです。

  • 時価総額 = 発行済み通貨数 × 通貨の時価(単価)

人気のある仮想通貨は、当然のことながら流動性(下の項参照)も高くなり、過剰な価格変動が起きにくいという傾向があります。

流動性が高い

仮想通貨(など)の取引が、どの程度成立しやすいかを、『流動性』という言葉で表します。

流動性が高い通貨は、価格が下落した局面では買い手、上昇局面では売り手が多く存在することになり、頻繁に取引が成立するので相場を安定化すると同時に、投資家としては、売買したい瞬間に確実に取引を行える確率も上がります。

その通貨に充分な流動性があるかどうかということは、投資対象としての大きな評価ポイントです。

トランザクション数が多い

物品やサービスの購入のため、仮想通貨が移動することを『トランザクション』といいます。

単なる電子データでしかない仮想通貨に、価値が存在するその理由は、結局、お金として(あるいは換金して)一般社会で使用できるからです。

したがって、トランザクション数が多いということは、その仮想通貨が本質的な価値を確保している、と評価することが可能です。

当然、本質的に高い価値を持つ銘柄の通貨が、投資対象としても望ましいものということができます。

銘柄は増やし過ぎない

仮想通貨に投資する際は、比較的値動きの荒いリスク資産と、荒れることの少ない安定資産を、ポートフォリオ上で上手く分散させて管理することが賢明です。

利益が損失をカバーするように、複数銘柄をばらつかせて投資するわけですが、銘柄をあまり多く持ちすぎると、肝心の利益銘柄への配分が小さくなると同時に、リスク銘柄数が増えることも考えられ、注意が必要です。

投資する仮想通貨の銘柄は、ポートフォリオなどで管理しやすい数にとどめておくべきでしょう。

手軽に資産管理するならアプリがおすすめ

24時間変動しつづける仮想通貨のレートは、常に細かくチェックできるほうが、資産の管理上も望ましいといえます。

そのような場合に有用なのが、スマートフォン向けのアプリです。

機能充実のBlockfolio

2000種類以上の仮想通貨に対応しており、充実した機能と使いやすさが人気の仮想通貨資産管理アプリが『Blockfolio』です。

ユーザーは、自分が利用する取引所を選択し、仮想通貨の売買取引を行うたびに通貨数を入力していくことで、その時点のレートに合わせた資産状況を表示させることができます。

表示させる仮想通貨は、ユーザーが自分のポートフォリオに合わせて設定できるので、資産状況を分かりやすく表示できます。また、本格的なチャート表示や、損益の自動計算を行わせることも可能です。

Blockfolio

メリットはアラーム機能

細かく動き続ける相場では、売買のタイミングを逃さないことが重要です。Blockfolioが提供するアラーム機能は、通貨レートが設定価格に達した時点で自動的に知らせてくれるので、常にチャート画面を見張っている必要がなくなります。

デメリットは英語表記

残念ながら、基本的にBlockfolioは英語圏向けのアプリであり、画面上の文言や数字の単位などが英語仕様(1,000をK、100万をMMといった単位表示など)となっています。

また、現状(2018年2月)で対応している取引所も海外の会社のみです。しかし、日本円による通貨レート表示にも対応しており、その点の実用性はあります。

BlockfolioはMacでも使用できる?

Blockfolio自体は、スマートフォン(iPhoneおよびAndroid)向けアプリのみのリリースであり、そのままではPC上で動作しません。

ただし、『BlueStacks』というソフトをPCにインストールすることで、PCをスマートフォンの代わりに動作(エミュレーション)させることが可能になり、(Android版であれば)Blockfolioもその環境で使用できるようになります。

BlueStacks 2の特徴と歴史

日本語表記のCryptofolio

英語画面表示に抵抗を感じる人には、日本国内で開発された『Cryptofolio』があります。

Cryptofolioの場合は、文言が日本語になるだけでなく、数字の単位も日本の様式(¥、万など)となるので、金額を直感的に捉えることが可能です。

こちらのアプリも仮想通貨取引所と、通貨の売買量を設定・入力することで、自動的に総資産額と損益を表示する仕様となっており、自分の資産状況を一目で確認できます。

データを取得する先の取引所も、国内の会社を広くカバーしているうえ、海外の取引所についても順次対応しています。

また、金額の表示は、円建てとビットコイン建ての切り替えができるなど、日本人向けにさまざまな工夫がされた仕様のアプリとなっています。

クリプトフォリオ – 仮想通貨の資産管理ツール クリプトフォリオ

メリットは円グラフが見やすい

Cryptofolioの大きな強みは、所有している仮想通貨のポートフォリオを円グラフで表示する機能にあります。

この機能では、通貨ごとに色分けされ、投資額と損益額も一元的に表示されるので、自分の資産配分を直感的に確認することが可能です。

デメリットはAndroid版の機能不足

Cryptofolioでは、iPhone版に比べAndroid版への機能実装が遅れている傾向があります。

しかしながら、現在では『通貨検索機能』や『通貨並べ替え機能』など、実際に利用する際に欲しいと感じるものは、Android版への実装が完了してきており、継続的にアップデートも行われています。

Android版アップデート情報 アーカイブ – クリプトフォリオ

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PCで管理するのにおすすめのwebサイト

PCの大きな画面で、仮想通貨資産の管理を行いたいという人には、webサービスの利用がおすすめです。

Coinboard

『Coinboard』は、通貨の保有割合(円グラフ)や、仮想通貨の保有量、および総資産の推移、取引履歴を簡単に表示させ、資産管理に役立てることが可能なwebサイトです。

メリットはAPI連携での自動管理

Coinboardによる資産管理を容易にしている機能が、複数の仮想通貨取引所との『API(※)』による連携です。

APIを使用することで、Coinboardはユーザーの資産状況を、取引所から自動的に収集することが可能になります。

そのため、通貨の種類や取引内容をわざわざ設定する必要はなく、サービス画面を開くたびに最新の資産状況を自動表示することができます。

資産状況はアカウント別、保有通貨別でグラフとして表示でき、細かな分析にも効力を発揮します。

※APIとはソフトウェアが、外部のソフトウェアにデータを渡すための仕組みのことです。

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デメリットはウォレットとの連携

仮想通貨をより安全に管理するために、利用者が取引所とは別にウォレットを使用する場合も多く、その中の資産の動きも一括で管理できれば非常に効果的です。

しかしながら、現状(2018年2月)では、Coinboardにおけるウォレットとの連携機能は開発中となっています。加えてiPhoneおよびAndroid向けのアプリも同時開発中とのことです。

Coinboard(コインボード) – 自動仮想通貨ポートフォリオ管理ツール

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エクセルで資産管理する方法

利用している仮想通貨取引所から、取引内容に関する数値データをCSV形式のファイル(※)でダウンロード可能であるなら、エクセルなどの表計算ソフトを使い資産管理することも有効です。

この場合は、ソフトのグラフ表示機能などを使用することで、直感的に資産配分を確認することができます。

※CSV形式のファイルとは、エクセルなど表計算ソフトで使用するデータファイルのことです

Googleスプレッドシートを使おう

『Googleスプレッドシート』は、インターネット上で動作する表計算のwebアプリケーションです。

CSV形式のファイルを編集することが可能なうえ、ネットを使うことでモバイル端末からのアクセスもでき、時と場所を選ばずに自分の資産状況を確認・分析することができます。

CRYPTO FINANCE関数

Googleスプレッドシートを使用する大きな利点のひとつに、『CRYPTO FINANCE関数』というアドオン機能の存在があります。

CSV形式のファイルを使い、取引などに関する資産状況を取り込む場合、毎回、取引所からのダウンロードが必要なため、データの更新がかなり煩わしくなります。

そのような場合は、GoogleスプレッドシートにCRYPTO FINANCE関数をインストールすることで、自動的にほぼ最新の数値を、表計算のセル内に取り込むことができるようになります。

CRYPTO FINANCE関数は、指定した通貨同士のレートはもちろん、時価総額や取引規模、過去の特定日時の価格などにも対応しているので、それらを組み合わせ、自分自身のポートフォリオを表示させることが可能です。

ただし、CRYPTO FINANCE関数が対応する取引所には限りがあるので、事前に確認が必要です。

CRYPTOFINANCE – Google スプレッドシート アドオン
How to get crypto-currencies rates and more in Google Sheet

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仮想通貨の資産管理会社とは

一般のさまざまな金融取引と同様に、得られる利益が十分に大きい場合は、仮想通貨の取引を行う資産管理会社(法人)を設立することも考えられます。

この場合は、仮想通貨資産は設立した会社が保有することになり、出資者である自分は、取引で得た利益から給与の形でリターンを受け取ることになります。

仮想通貨の税金はいくら?

法人で仮想通貨取引を行う大きな理由は、利益にかかる税率の低さです。個人と法人の場合を比べて、仮想通貨取引にかかる税金は、具体的にどう違ってくるのでしょうか。

個人のケース

個人の場合、現状の税制では、仮想通貨の取引はFXなどの他の金融取引のような『申告分離課税』ではなく、雑所得として『総合課税制度』が適用されます。

総合課税の場合は、所得に応じて高くなる累進税率が適用され、たとえば高額所得者の場合は以下のような税率(および控除額※)となります。

所得金額 税率 控除額
695万円超 900万円以下 23% 63万6,000円
900万円超 1,800万円以下 33% 153万6,000円
1,800万円超 4,000万円以下 40% 279万6,000円
4,000万円超 45% 479万6,000円

また、2037年までの所得には、上記の税率などから算出される基準所得税額の2.1%が、復興特別所得税として納税額に上乗せされます。

※控除額は、所得額と税率で算出される金額から差し引かれ、その結果が実際の納税額になります

No.2260 所得税の税率|所得税|国税庁

法人のケース

法人の利益にかかる税率は、資本金が1億円以下の中小法人であるか、そうではない普通法人であるかにより変わって来ます。

区分 税率(平成30年度から)
年の利益が800万円以下である中小法人 19%
年の利益が800万円を超える中小法人 23.2%
普通法人 23.2%

上記の表に示したとおり、納税する立場から所得(利益)にかかる税率の面だけ比較するのであれば、個人より法人の方が有利な数値となります。

No.5759 法人税の税率|法人税|国税庁

事業を行う人にはおすすめ

上記のような税率の面での利点に加え、インターネットの通信費、作業をする場所(事業所として)の家賃などを、仮想通貨取引を行うための経費として計上できるなど、法人化するメリットは複数あります。

しかしながら、法人設立時の届け出に関係する手間はもちろんのこと、社会保険の加入手続きや、確定申告時には税理士に依頼するなど、法人としての新たな義務やコストが生じることも確かです。

また、現に会社員として働いている人であれば、勤務先に認められている場合を除き、会社の仕事と両立していくことはほぼ不可能といえます。そのため、仮想通貨投資で本格的に起業するかどうかの決断が必要になるでしょう。

そういった諸々のことを考慮すると、現に事業を行っている人であれば、大きくなった仮想通貨取引からの利益を絡めて、事業の再編成などの形で法人化することは、検討する価値があるといえます。

まとめ

価格の変動幅が大きな仮想通貨投資の世界では、思わぬ利益を手に入れることもあり得ますが、やはり各通貨における自身の資産配分をしっかり把握し、リスクについての管理を怠らないことが重要です。

モバイル端末向けのアプリから、インターネット上のwebサービス、あるいはスプレッドシートを用いる方法など、仮想通貨の資産管理を行うツールは複数リリースされており、自分のスタイルにあったものを選択することが可能です。

また、利益が大きな場合は、税率が低くなる資産管理会社を設立し、仮想通貨資産を移すということが考えられます。しかし、法人を持つことに関する新たなコストや手間が生じるので、充分に検討する必要があるでしょう。