相互運用可能なチェーンが登場するチャンス

Translate this article into English

2018年5月最新! ▼当サイトで申込みが多い取引所

【1位】「GMOコイン」【10ヶ月連続1位!レバレッジ取引で人気!】

【2位】「bitflyer」【日本最大級取引所・人気No.1】

【3位】「ビットバンク」【セキュリティ対応No.1】

シェアする

現在、ブロックチェーンの相互運用は実質的に存在しない。

チェーンの間で資金を移動させたければ、集中管理している取引所にトークンを移動し、取引所内部の台帳を利用して、新しいチェーン上で資産を引き落とさなければならない。この処理には時間と費用が掛かり、またかなりの取引先リスクがある。

チェーン間の相互運用には基本的に二つの種類がある。

一方のチェーンの状態に関するメッセージをもう一方のチェーンへの伝達。この方式には合成トークン(一対一ペグ、双方向ペグ、またはサイドチェーンとも呼ばれる)が含まれる。

クロスチェーン・アトミック・スワップ。第三者の信頼を必要とせずに異なるチェーンのユーザー間でトークンを交換すること。

PolkadotやCosmosといった注目を浴びる多数のプロジェクトは「ブロックチェーンのブロックチェーン」を目指して競い合っている。これらのシステムは各々縄張りを示すトークンを持っており、検証ソフトウェアはシステムが各自のネットワーク上で仕事をするためこのトークンを提供しなければならない。

もう一つのチェーンのチェーンであるBlock Colliderは、多数の同じような機能を実現するために技術的に全く異なる仕組みを提案している。

私はチェーンの相互運用に関するヴィタリック・ブテリンの素晴らしい論文から導かれる洞察に基づき、上で述べた相互運用の両方の種類を紹介し、これらのシステムの最高の出番はメッセージを伝達することだということに焦点を当てていく。クロスチェーン・アトミック・スワップはチェーン・オブ・チェーンの専用システムなしで実現できる。

クロスチェーン・メッセージング

クロスチェーン・メッセージングは基本的には、「信頼性に依存することなくチェーン間でメッセージを伝達するシステムはどのように設計すべきか?」という信頼性についての問題である。

私が孤児チェーン・リスクと呼んでいるものを考えてみると、この問題はとりわけ難しくなる。このリスクは、あるサービスがチェーンAの状態をチェーンBに伝達するとき、伝達する者(リレイヤー)がいるのは最終的に(悪意があろうがなかろうが)孤児となるチェーンA上だということが分かった場合、チェーンBに伝達されたメッセージは無効となる、というものだ。

もしチェーンにまたがる合成トークンを発行するためにメッセージを伝達しようとすると、双方のチェーンで二重に支払う結果となり、受け入れることはできない。「もしリレイヤーが親のない分岐にいるとしたら」という絶えることのないリスクに対応することは、メッセージを伝達するシステムにおける間違いなく最大の難問だ。

CosmosとPolkadotは2つの仕組みでこの孤児チェーン問題に対処している。まず、これらのシステムではブロックチェーン間通信(IBC)プロトコルを用いて、チェーン間の各取引についてのマークル化されたブロックヘッダーを格納している。CosmosとPolkadotはマークル化されたブロックヘッダーの履歴の上に各トークンの総供給量に対する全体としての不変な均衡を維持している。これらの仕組みを組み合わせることで双方のチェーンで二重に支払う問題を防いでいる。

Oraclizeのようなシステムがチェーン間でメッセージを伝達できれば素晴らしいだろう。しかしこのようなシステムは孤児チェーン問題を考慮していない。

未来に目を向けると、チェーン自体を送信することで孤児チェーン問題を解決する日を思い描くことはできる。でもどうやって実現するのか?プルーフ・オブ・ステーク(PoS)に基づいたシステムの完了状態を活用する方法だ。この方法はCasper FFGが明確に目標としているもので、現在はα版の段階だ。しかしそのようなPoSのシステムをパラメーター化することの代償として完了状態がどれだけ早く与えられるかは明確になっていない。

完了状態が保証されるとしても別の難問が待ち受ける。

現在はブロックチェーンのカンブリア大爆発といったような状況にある。この状況は少なくともあと数年は続くと見られる。新たに出現しつつあるチェーンの数を考えると、各ブロックチェーンは通信相手となるチェーンのマークル化されたブロックヘッダーを格納して検証することが必須になるだろう。

各ブロックチェーンは相手のチェーンのブロックヘッダーでサイズが膨らむ可能性がある。ブリッジとなるチェーンを使うと、チェーンあたりの膨張率がn!(nの階乗)の関数からnの関数に減る。

私は中間チェーンなしでブロックチェーン同士が互いに直接通信することに将来性があると思う一方で、それはまったくありそうにないことだとも思う。この問題は、ビットコインのようなシステムは保証された完了状態でプルーフ・オブ・ワーク(PoW)の合意からPoSの合意に移ることは決してない、という事実によってさらに悪くなっている。

遠い未来には中間チェーンが余計なものになることもあり得るが、そのような未来のことはまだ分からない。近い将来、少なくとも数年以内で考えると、CosmosやPolkadotはクロスチェーン・メッセージングに対して基幹的な役割を果たすチャンスは十分にある。

クロスチェーン・アトミック・スワップ

最初のクロスチェーン・アトミック・スワップは、ライトコインディークレッドの間で最近行われた。

どちらのチェーンもチューリング完全なプログラミング言語はサポートしない。クロスチェーン・アトミック・スワップは一般的な目的で使われるスマート・コントラクト・プラットフォーム間で実装するのは技術的には容易だ。これらのライブラリが成熟して広く使われるようになるにはさらに1、2年掛かるだろうが、実現するだろう。残された技術的課題は多くはない。

クロスチェーン・アトミック・スワップの大きな問題としては他に価格発見と注文執行がある。これは0xOmiseGoのような分散型暗号通貨取引所(DEX)が関与するものだ。OmiseGoは完全に分散化されているため、注文控元帳はチェーン上にある。

0xでは売買情報はリレイヤー(集中管理の主体)が保持し、決済時に注文執行をチェーンに提供する。

分散型暗号通貨取引所が、チェーン上の注文控元帳を含め、究極的に完全に分散化されることを市場が要求すれば、クロスチェーン・アトミック・スワップが機能するためにはOmiseGoのようなシステムが必要となる。しかし、チェーン上の注文控元帳に内在する制限(決済に掛かる時間、採掘者のフロントランニング、採掘者の苦悩、など)を考えると、私は0xが予見できる将来に普及すると信じている。

現在0xはイーサリアムのエコシステム内でしか動作しないが、0xのロードマップにはクロスチェーン(注*)のサポートが含まれる(Scryptベースのチェーン用のLitecoin-Decredプルーフのコンセプトに組み込まれた多くの技術を利用するものと思われる)。0xのリレイヤーは価格発見に注文控元帳を保持し、各チェーンのエスクローからの資金放出のきっかけとなるチェーン間のメッセージを中継する。この方式は(取引先リスクのない)分散化と(早さと注文執行の点で有利な)中央管理にとって最適な要素を、(リレイヤーが実際に双方のチェーンにメッセージを伝達するだけの)最小限の信頼性の保証で、数多く提供する。

チェーン上に分散型暗号通貨取引所を実装することは理論的には可能だ。

しかし、分散型暗号通貨取引所が直面する制限や、注文控元帳や製品化に要する時間、市場開拓の強みの流動性に内在するネットワーク効果、そして0xのリレイヤーが備える最小限の信頼性の保証を考えると、私は0xモデルが普及し、Cosmos/Polkadot/Block Colliderに基づいた分散型暗号通貨取引所にはほとんどチャンスがない(注**)、と主張する。

結論

Cosmosの立ち上げまであと1、2ヶ月に迫る中、ブロックチェーン間ネットワークの機会についてまやかしの巨大な循環を目の当たりにしようとしている。Cosmosのようなシステムはチェーン間通信の基本的な問題を解決するものではあるが、必ずしもチェーン間通信のすべての課題に対する答えになっているわけではない。

このようなシステムが可能にするあらゆることをチェーンのチェーンで行う必要があるわけではない、と認識することが何より大切だ。暗号通貨のエコシステムが発達するにつれて、信頼モデル、リレイヤー、ソリューションに幅広い多様性が生まれることを期待しよう。

(注*)
クロスチェーン・アトミック・スワップは双方のチェーンが自分のエスクロー機能を提供する場合のみ可能となる。このため少なくともビットコイン風のスクリプト関数が必要だ。例えばIOTAやsiaのようなチェーンではチェーン上のトラストレスなエスクローをまったくサポートせず、それ自体トラストレスなクロスチェーン・アトミック・スワップを実装することができない。

(注**)
クロスチェーン・アトミック・スワップの最大の制限の一つが決済に掛かる時間だ。当然ながらこのようなチェーン間の取引の決済に掛かる時間はどちらか遅いほうのブロック時間で決まる。Block Colliderのシステムでは双方のブロック時間よりも早く決済することが理論的には可能だ。クロスチェーン・アトミック・スワップが双方のブロック時間よりも早く決済できるようにすることはかなり大それたアイディアだ。ビットコインのブロック時間が遅いことを考えると、Block Colliderは興味深いニッチなところを突いているのかもしれない。

https://www.coindesk.com/opportunity-interoperable-chains-chains/